人事担当者向けオススメ本

第106回 僕たちはどう伝えるか

採用担当者はプレゼンの連続です。会社説明会はもちろん、面接でも、内定者フォローでも、研修でも、インターンシップでも、分かりやすく、魅力的に会社のことや仕事のこと、ビジョン、理念をプレゼンしなければいけません。

入社の決め手が「採用担当者が魅力的だったから」は、最上級にうれしい言葉です。社会保険や給与計算の知識などとは全く別の能力が求められます。「採用担当者には営業のエースを」とよく言われるのはこのためです。

採用担当にとってキースキルであるこのプレゼンの方法を当書は分かりやすく教えてくれます。著書はオリエンタルラジオの中田敦彦氏。「しくじり先生」などで、彼の魅力的過ぎるプレゼンに時間を忘れて聞き入ってしまった方も多いのではないでしょうか。

当書はそんな中田氏のプレゼンの極意が余すことなく語られています。1時間以内読める量です。合説会場への移動時間や、ちょっとした空き時間にお読みください。

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第107回 帝王の誤算

「社員が自殺をしても、企業成長を止めるわけにはいかない」。世界一の広告代理店を創った男の生涯が書かれたビジネス小説です。

「パワハラ」「ブラック企業」というワードがない時代に、身を粉にして猛烈に働いた方がいたことで、日本は世界No.2の国に成長したんだ、と改めて当時の企業戦士に畏敬の念を抱くことができました。

徹底した「顧客満足」や「高品質」を追及することで、顧客からは絶大な信頼を得ることができ、日本ブランドのプレゼンスは世界中で確固たるものとなりました。
その一方で、社員の負荷はどんどん大きくなり、過労や自殺で死に至る社員も続出しました。日本企業の成長、躍進の裏で、犠牲になった方も大勢いたんだ、と心が痛みました。

「企業や個人が成長するには、ある程度のハードワークが必要だ」「働き方改革で勤務時間が減ったら、顧客満足度は下がり、企業成長は止まってしまうのではないか」「社員の死を招いてまで企業は成長しなくてはいけないのか」など、これからの働き方について、様々なことを考えさせられました。働き方改革に取り組む前にぜひ読んでおきたい一冊です。

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第108回 科学的手法で絶対に成功する採用面接

採用成功に絶対はありませんが、絶対に成功すると言い切っているタイトルに惹かれ購入しました。本書の内容だけで、絶対に成功すると言い切るのは誇大だと感じましたが、確率を高めることはできそうです。

ここでいう科学的手法は、コンピテンシー面接のことを指します。コンピテンシーとは成果に繋がる行動特性のことです。面接現場には、様々なバイアスが存在します。そこから脱却するために、応募者の行動のみに着目して評価する面接方法がコンピテンシー面接です。熱意や感情ではなく、行動だけに焦点を当てて、どんな状況でどんな行動をとる人材なのかを確認し、その行動特性が自社で成果を出せる行動なのかを評価します。

まず自社のハイパフォーマーの行動特性を洗い出します。そして面接では、学生時代一番頑張った取り組みを確認し、それを特定の日、特定の人とのやり取りなど、限られた場面に設定します。そこでとった行動を細かく確認していきます。それが自社の業務でも成果が出せる行動特性かどうかを評価をするといった流れです。

売手市場が続き、妥協採用をしがちですが、採用の失敗は大きな損失です。売手市場だからこそ、読む価値がある一冊です。

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第109回 ブスのマーケティング戦略

ブスでも幸せになるための戦略が書かれています。著者はブスを「見た目を武器にできない人」と定義し、そのうえで、どうすれば幸せになれるかを詳しく教えてくれています。

「社名を武器にできない会社」をブスと定義するならば、どうすればブスが美人(有名企業)を出し抜いて採用成功に導くか、著者の行動を採用活動に置き換えて読んでみると、目から鱗の役立つヒントが満載です。

セグメント戦略3C分析、ブルーオーシャン戦略、ニッチ戦略などのマーケティング理論が紹介されていますが、単なるフレームワークの説明ではなく、著者はどのようにこれらの枠に当てはめて行動したのか、事例が満載なので理解も深まり、自社の採用活動にも応用しやすいと思います。

最後に私なりにこの本の内容を採用活動に当てはめてみます。社名で勝負できないことを受け入れ、まずは今働いている社員の満足度を高め、会社が好きで活き活き働いている社員のタイプを分析し、社風でも戦略でも技術力でもいいので他社との優位性を築き、SNSでそれらを発信し、合説などの学生と出逢える場に足しげく出向き、都度PDCAサイクルを回し改善を重ねていく、といったところでしょうか。

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第110回 THE TEAM 5つの法則

良いチームとは何か? 組織論は多くの学者が独自の説を唱える百花聡明の学術分野です。それらを、組織のライフサイクルや環境の不確実性の大小、人材連携の大小になどに合わせて、今の組織にとっての最適解を見つけるために必要な理論を教えてくれる超良書です。組織論の学術的背景をベースに、AKB48やサッカー日本代表など身近な事例を交えながら、噛み砕いて解説してくれています。

近年、採用活動だけを頑張っても良い人材には選ばれなくなっています。会社の存在目的、ビジョン、誰を仲間に入れたいのか、組織のどこに共感させたいのか、これらを採用活動の前にしっかり定義する必要があります。その点から、1章の目標設定の法則、2章の人員選定の法則、5章の共感創造の法則は必読です。

中でも5章のエンゲージメントの4Pは、組織作りだけでなく採用活動でも大きく効果を発揮します。4Pとは、Philosophy(理念)、People(人)Profession(仕事)、Privilege(特権)のことで、はりまっちが取材時に使用している組織誘因の4象限と同じ理論です。採用に強い組織はこれら4Pのうちどこに共感してもらいたいのかが明確になっています。詳細はこの本で!