人事担当者向けオススメ本

第116回 会社の問題発見、課題設定、問題解決

「採用力は、以下の公式に当てはまります。企業力×労働条件×採用活動力です。この中で企業力と労働条件はスグに変えられないですよね。採用活動力なら、今スグに変えることができるんです。

採用活動力を高めて優秀な人材を採用することができれば、企業力が高まり、労働条件もよくなってきます。だから、まずは採用活動力を高めましょう」
これは、人材業界で働く営業パーソンの常套句です。しかし、時代は変わりました。採用活動だけを頑張っても、上手くいかない時代です。確かに、売上や利益構造などの企業力はスグに変えることはできません。

しかし企業力とはそれだけではなく、魅力的でワクワクするミッションやビジョンがあり、それに向かって自走し、互いを高め合う社員がいることも立派な企業力です。もし会社にミッションやビジョンが無い、あっても額縁に入れて飾ってあるだけなら、今一度ここから策定することが、一見遠回りのように見えて、実は一番の近道です。

当書は、魅力的なビジョンの策定方法から、ビジョンをお飾りにしない実行方法まで、詳しく書かれています。採用力も企業力も同時に高めなければいけないこの時代にピッタリな一冊です。

このページのトップへ

第117回 小さな勝ち組企業が選んだブランド戦略

自社のストーリーを伝えるうえで、これ以上参考になる本は無いと思える超良書です。著者は、人材コンサルティング事業で急成長を遂げたワイキューブの元社長安田佳生氏。これまでワイキューブが手掛けた8社の小さな無名企業のブランディングの事例が紹介されています。そのうち1社の事例をご紹介します。

国内の宅配ピザ市場は、ピザーラ、ドミノピザ、ピザハットが独占し、他がつけ入る隙が無いほどですが、船橋市には、大手3社とは明確な差別化を図り、市民の心を掴んで離さない ピザヨッカーという小さなピザ屋があります。同店も丸亀製麺同様に、効率化を度外視して「ここまでやるか」と思うほど、手間暇かけて1枚のピザを作っていますが、それが顧客に伝わっていませんでした。
そこで「ヨッカー7つのこだわり」という、ピザがお客様に届くまでのストーリーをピザの箱に印刷し、顧客に届けました。一度この想いが伝われば、顧客は永続的なファンとなり、競合他社は選択肢から外れていきます。またストーリーを伝えるこの取り組みは、顧客だけでなく社員自身が同社で働くことに誇りを持てたり、イギリスの大学院でマーケティングの修士号をとった方が入社したりしたそうです。

相手がお客様でも求職者でも社員でも、心を動かすのは事実ではなく、ストーリーです。

このページのトップへ

第118回 病院の治しかた 〜ドクター有原の挑戦〜

テレビ東京で現在放送中の病院再建をテーマにしたテレビドラマです。長野県松本市にある相澤病院が、借金17億円の倒産危機から奇跡の復活を遂げた“実話”をベースにした物語です。

企業再建の物語は、資金繰りに苦しみ、銀行に頭を下げて回り、その後、画期的な新商品の開発に成功し、V字回復を果たすパターンが多いのですが、このドラマは、人事制度の見直しなど組織改革や採用活動についても掘り下げており、人事や採用から組織が変わっていく様子が描かれています。

病院経営において、看護師不足は大きな経営課題です。地方の病院には新卒学生が応募することもなく、看護学校を回っても、相手にされません。そこで目をつけたのが、転職者向けの合同就職説明会でした。合同就職説明会に出るうえで、幹部同士で、「他社にはない自社の魅力は何か?」とブレストをし、ブースの装飾ツールを考え、ブースの呼び込みをし、見事採用を成功させるまでのシーンが描かれており、採用担当者様なら、感情移入しながら見られると思います。

テレビ東京が映らないご家庭の方は、スマホアプリ「Tver」で視聴可能です。

このページのトップへ

第119回 残業禁止

「残業はするな。しかし納期は延ばすな。売上は伸ばせ。利益も伸ばせ」今多くの現場で突き付けられている問題をテーマに描かれたビジネス小説です。

これまで残業を前提に仕事をしていた会社が、いきなり残業禁止となれば、「ショートカットキーを駆使する」とか、「単語登録をする」とか、「会議では目的とゴールを明確にし、アジェンダを事前に共有して、資料は読み込んでから参加する」とか、「メールではなくチャットで連絡を取り合う」みたいな小手先の方法では到底太刀打ちできません。抜本的な業務改善が求められます。

その業務を止めても、顧客満足に影響しないもの、売上・利益に影響しないものは、思い切って捨てていく勇気が必要です。しかし、長年やってきた慣習は、思い入れがありなかなか捨てられません。そこで大切にしたいのは新入社員の「それ、何の意味があるんですか?」です。その質問にきちんと答えられるかを、捨てる、捨てないの基準にしてみてください。答えられない場合は、意味も目的もなくやっていた業務で、捨ててもいいものです。

残業禁止にして、売上・利益が上がれば、みんなハッピーで、採用にも効果があります。この機会を前向きに捉えてやっていきましょう。

このページのトップへ

第120回 Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法

令和元年に売れたビジネス書ランキング第1位の「Think clearly」の続編です。
・新年の抱負が達成できないわけ
・「自分は大丈夫」と錯覚してしまうわけ
など、52章にわたって、様々な真実を伝えてくれています。

その中で採用活動でも活かせそうな内容を二つご紹介します。一つ目は、「カサッチー効果」です。これは、人はデータやお金で動かない。理由を大切にするという心理学の用語です。
企業規模や福利厚生、市場シェアなどデータで心が動くのではなく、どういう想いを持って創業し、今何を大切にしていて、将来はどんな社会を実現したいのか、といったストーリーが人の 心を動かします。「数値で表現する」は、プレゼンの鉄則ですが、そればかりでは心は動きません。

二つ目は、経営者は自分より優秀な人材を採用したほうが、会社は得をするという真実です。採用では無意識に、言うことを聞いてくれる素直な人、つまり、自分より能力が劣り、扱いやすい人を評価しがちですが、そうなると経営者の実力以上の組織には永遠になれません。

会社を成長させるには、自分より優秀な人材を採用し続けることが最も重要です。他にも目から鱗な真実が満載の一冊です。