人事担当者向けオススメ本

第16回 <就活>廃止論

過激なタイトルですが、就活の廃止を訴えている本ではなく、就活の現在の問題点を提起したうえで、今後求められる就職活動、採用活動を提案している本です。この本は、はりまっちが目指している方向性と似ていてとても共感のできる一冊でした。特に共感できたポイントは、大量に不採用にする採用活動の問題点について書かれている項目です。

例えば、5名の採用枠に5000名のエントリー。自ら辞退する学生を除いても大量に不採用通知を出さないといけません。そんな無駄が多くお互い不幸な採用活動を辞めて、本当に欲しい人材に絞って募集を行い、お互い幸せに感じる活動をしていきましょうと著者は訴えます。

はりまっちも採用において究極の目標は「一人の欲しい人材から応募があり、その人を採用する」ことです。私たちは、本当に欲しい人材をお客様と一緒に考え、その学生が心を動かすポイントは何か?を徹底的に考えて、学生へ表現していきます。この本は人材会社の方が書かれていますが、人材会社の営業トークは一切無しに書かれています。採用活動を見直すきっかけとなる良書です。

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第17回 新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか

「面接では良いと思ったのに、期待はずれだった…」こんな失望を無くすための指南書です。東大卒、帰国子女、好ルックス、アメフト部主将など、一見採用してしまいそうな学生こそ要注意。面接で見抜く技術から入社後の育成方法まで実践的に書かれています。

著者は長年外資系企業で人事畑を歩み、その後独立して人事採用のアウトソーシング業務を手がけている方です。実務を経験していない評論家には書けない実践的な内容で、日々採用の現場を体験しているみなさんなら「あるある」とうなずきながら読める一冊だと思います。

とくに共感できたところは第6章の「かまってあげる育成」です。採用と教育は切っても切れない関係であり、一体化して考える必要があります。「採用チームが入社後1年間は教育係をすること」、「目の前の仕事に小さな成功体験の喜びを見つけさせること」、「メンターをつけ、絶え間ないコミュニケーションをとること」など、受け入れ体制について詳細に書かれています。期待はずれの原因は、実は採用後にあるのかもしれません。

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第18回 軋(きし)む社会 -教育・仕事・若者の現在-

「同じ大学卒でも20年前とはレベルが違う」「本来なら学校で教えておくべきことを会社が教えないといけない」こんな声をお客様からよく耳にします。

私たちが普段接しているのは、大学生活も後半にさしかかった学生であり、それ以前の教育には関わることができず、お客様のお悩みに対して何もできない自分に歯がゆい気持ちでした。そこで、まずは教育と就職の関連性だけでも調べようと思い手にとった一冊です。著者は東大大学院で教育と仕事の関連性や現在の若者について多くのレポートを書かれており、TVにも出演されています。

中身は余白が少なく文字でギッシリ埋め尽くされていて、今までご紹介した本と比べても、読みきるのが大変でしたが、現在の教育現場、若者の就職観と雇う側の価値観の食い違いなど、今まで知らなかった教育、若者の実態がリアルに記載されており、目から鱗が落ちる内容でした。

考え方が少し若者びいきのところもあり、読む人によっては、賛否が分かれるところもあると思いますが、それらも含めて採用や教育に携わっている方は、読んでおきたい一冊です。

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第19回 中小企業ミシュラン 〜ずっと働きたい「従業員300人以下」の会社選び〜

この本は、学生にとってわかりにくい中小企業の実態や魅力をわかりやすく解説し、実際に著者が選ぶお勧め中小企業の紹介もされており、学生の目を中小企業に向けるきっかけとなる一冊です。ちなみに、はりまっちのお客様では、「ショーワグローブ梶v様が紹介されています。

実際私たちが学生に中小企業を勧める際にも使えそうな言葉も多数ありました。たとえば、「中小企業は大手企業になれない企業ではない。適性サイズの企業なんだ」「縛りが少なく自由に開発に専念できる理系こそ中小企業に向いている」「中小企業は常に人材不足。活躍すれば責任のあるポジションを任せられる」など。これらをノートに書きとめながら読みました。今後学生への指導として使わせていただこうと思います。

ただ、人事コラムにも書きましたが、やはりそれも企業の情報開示があってこそ。いくら学生に中小企業を勧めても、実態のわからない会社へは怖くて応募できません。企業、はりまっち双方が力を合わせて取り組み、優秀な学生を惹きつける努力をしていきたいです。

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第20回 ハロワ!


ハロワ! 久保寺 健彦

28歳の嘱託新米社員がハローワークの相談員として働き、そこで繰り広げられるさまざまなドラマが描かれた小説。

丁寧に求職者の身上話を聞くあまり、常連客に囲まれる日々が続く主人公の沢田。上司からは、「リピーターを作るな。リピーターがいるということは、就職が決まっていない証拠だ」と怒られます。美容師やキャバ嬢なら指名リピーターは喜ばしいことですが、ハローワークの相談員は、リピーターを喜んではいけないそうです。

ハローワークも一人ひとりの求職者に親身になるよりも、“どれだけ就職率をあげたか”が大切であり、数字に追われる毎日を過ごし、数字で評価が決まるようです。私の知り合いの方にも、ハローワークの相談員として勤務されている方がいらっしゃいます。その方は、民間の人材会社の数字至上主義に嫌気をさしてハローワークに転職をしましたが、この小説のように結局は民間企業と同じだとおっしゃっていました。

この葛藤は、この業界で働くすべての人にあるのかもしれません。読みやすい文体で、“ハロワ“の裏側が知れる冬休みにお薦めの一冊です。