人事担当者向けオススメ本

第26回 私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日

一世を風靡した人材会社「ワイキューブ」の創業者であり元社長の安田氏が、ワイキューブの設立から倒産までを赤裸々に綴った一冊です。ベストセラー「千円札は拾うな」の著者でもある安田氏が書かれただけあって内容も面白く、また同業界ということもあり、大変読み応えがあり一気に読みました。

安田氏は「人」こそすべてという考え方であり、東京の一等地にオフィスを構え、新卒一人採用するのに1000万円近く投資したり、学生の人気ランキングをとにかく気にしたり、世界一人件費の高い会社を目指したり、社内にワインバーを設けたりしました。すべては優秀な人材を採用し、採用した人材の福利厚生をしっかり整え、モチベーション高く仕事をしてくれれば売上は自然に伸びるという安田氏の理論からです。

しかし、結局それだけでは売上は伸びず、借金も返済できず倒産しました。安田氏の理論は私も一部賛成ですが、やり過ぎた感は否めません。設備投資がそれほどかからない人材業界において40億円の負債額は考えにくい数字です。やはり、人材業界は地道にコツコツが大切なんだと改めて感じた一冊でした。

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第27回 アイデアは考えるな。

面白法人カヤック代表の柳澤氏の著書。人材業界に属する者はみな、このカヤックの斬新な採用手法に注目しています。就活は無駄が多いという考えで、「節就宣言」という採用方針を打ち出しています。

具体的には、受験する前に、他社の志望動機をカヤックに提出し、それで合否の可能性を判定をしたり、顔写真を先に送り、「カヤック顔」かどうかの判定をしたり、Facebookでエントリーし、その交友関係や普段の行動から合否を判定するものです。それらで、「合格の可能性が高い」「合否は半々」と出た方のみ選考に進むという流れです。

他にも、「旅する会社説明会」といって、バスで全国各地に出向き、バスの中で会社説明会を開催しています。学生はわざわざ高い交通費を払って会社説明会に行かなくて済みます。この本は、こんなユニークなアイデアを生み出すための指南書です。

凄いアイデアを考えるには、凄くないアイデアをたくさん出すことが必要と柳澤氏は訴えます。「ピカソは生涯2万点以上の絵を描いた」と言われています。「凄いアイデア」を出している人は、その何倍も「凄くないアイデア」を出しています。 ぜひ参考にしてみてください。

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第28回 君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?

「海外に支店を出す際、現地の責任者として社内の若手を抜擢するも本人は拒否」。このような状況が今多くの日本企業で起こっています。自社のグローバル戦略に興味関心を持たない人材が多いようです。

この本は、そんな人材に対し、実際に世界で活躍する人々を例にあげ、世界はいかに素晴らしく、エキサイティングであるかを教えてくれる一冊です。「世界レベルで活躍できるポテンシャルのある若者にパワーを与え、10年後・20年後の日本社会に貢献するような日本人を育てたい」著者のそんな願いがこの本にこめられています。

著者は、証券マンや経営者として世界の一線級と渡り合ってきた経歴の持ち主です。世界と日本の情勢を正確に知る著者が、実際に世界で活躍する日本人とはどういう人物なのか、独自の情報網から最新の情報をもとに、情熱を込めて訴えています。

グローバル展開には社員の啓発も大切です。グローバル展開をお考えの企業様は、将来、海外で活躍して欲しい社員や内定者フォローの一貫で、課題図書として読ませてみてください。

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第29回 特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ

長いタイトルですが、内定者や新入社員など、今の若手社員の必読書としてお勧めします。

学生時代は気の合う友達とだけ接していれば良かったものが、社会人になった瞬間、そうでなくなる現実。仕事ですから、気の合わない人、価値観の合わない人、生理的に嫌いな人とでも協働しないといけません。

若手社員も、それくらいは理解しつつも、社会に出ていきなり「やれ」と言われてもできません。「わかっちゃいるけど、じゃあ具体的にどうしたらいいの?」というのが本音でしょう。もちろん、上司もそんなことを教えてもらった訳ではなく感覚で実践してきたので、上手く説明できません。その代役となるのがこの本です。

「昔出会ったアイツに重ねて、他人に嫌悪感を増し、嫌なヤツ度を高めている 」「期待をかけずぎて悪いギャップを見ると幻滅してしまう」「相手には過度な期待をしすぎない、求めすぎないが重要 」「役割を与えると当事者意識が生まれ、積極的に関わるようになる 」など、人間関係を上手く構築し、幅広い人と付き合えるようになるポイントが満載の一冊です。

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第30回 ホウレンソウ禁止で1日7時間15分しか働かないから仕事が面白くなる

今、経済界で大注目の未来工業創業者山田昭男さんの著書。年間休暇140日+有給40日、残業禁止、定年70歳、育児休職3年、社員800人全員が正社員。それでも儲け続ける秘訣が書かれています。

月に1週間以内なら会社をサボってOK、ホウレンソウを禁止、部下が成長するために上司は頑張るな、営業ノルマなし、など常識とはかけ離れた発想で、増収増益を続けています。

ホウレンソウを課していたら、絶対に止めていたような斬新な企画が次々成功するそうです。ホウレンソウが義務化になると、何か新しい製品を企画する際、せっかくの斬新なアイディアも、上司は今までの常識に照らし合わせて「NO!」という可能性もあります。社長が知らない間に商品化されたものが大ヒットすることもあるようです。

結局、ホウレンソウや営業ノルマを課したり、部下がサボらないように管理したり、上司が重要な仕事を抱えこんだりするのは、社員を信じていないから。社員を信じてどんどん権限委譲すれば、部下は自ずと成長し、それに比例して会社も成長します。全ての会社に適応できるとは思えませんが、一読の価値はありです。