人事担当者向けオススメ本

第31回 ストレスマネジメント入門

人事コラムで、ゆとり世代の対応方法を記載しましたが、それでも「怒られることに慣れていない」、「ストレス耐性に弱い」といった特徴があります。これからの時代、経営者や人事はストレスマネジメントの知識を身につけていて損は無いと思います。

この本は、ストレスマネジメントの理論から身近な具体例を交えた実践法まで詳しく書かれており、入門書としてお薦めです。
とくに、職場でのストレスマネジメントの事例が豊富で、「厳しい上司とうまくやっていけない」、「仕事のプレッシャーが大きくてつらい」、「女性管理職がゆえにつらく当たられる」などといったケースに対してそれぞれのストレス対処法が具体的に書かれています。

また、個人的に面白かったのが、キャリアカウンセリングの視点がストレス軽減につながるというロジックで展開されていた9章です。
「ライフラインチャート」という縦軸に満足度(充実度)、横軸に過去の年齢(時間軸)をとったグラフがあり、生まれた時から現在に至るまでの満足度について、フリーハンドで曲線を描きます。これによって自分の拠り所を知り、ストレスを感じやすい場面を避けることができるようになるそうです。

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第32回 週刊ダイヤモンド 「今、入るべき会社 就活親子の大誤解」

就活の解禁日である12月1日発行の週刊ダイヤモンドは、 「どの会社に入ったらいいのか」という、就活に臨む学生自身やその親御さんにとって気になる永遠のテーマでぶつけてきました。

「人気業界の大誤解」、 「人気職種の勘違い」 、「IT業界の新卒に“破格”の高額年収も一寸先は闇の熾烈な業界事情」、など、就活生の間で流れる噂と実際のギャップを綿密な取材により証明しています。

この特集の中で、「最初に入るべき企業」は以下の3つの条件が揃っていることとしています。

「1、多くの企業と関係を持つ業界のハブとなるB to B企業」、「2、スキルが身に付くブートキャンプ(新兵訓練施設)のような企業」、「3、各界でOBが活躍して人脈を拡げられる企業」。

少し前までの大人気企業シャープなどを例に、今の成長企業や人気企業が将来も成長し人気を得続けるかは不透明な時代です。

そこで就活生が注目すべきは自分の人材価値。最初に入る企業選びは、企業が自分の人材価値にどうプラスに働くかという観点から行なうべきだ、ということをおっしゃっています。
この方の意見にすべて納得できる訳ではありませんでしたが、“社名だけで選ばない就活”は私も大賛成です。

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第33回 僕たちはガンダムのジムである

世の中は1%の「すごい人」(ガンダム)ではなく 99%の「その他大勢」(ジム)が動かしている。
就活コンサルタントの常見氏が、アニメ「機動戦士ガンダム」に例えながら、普通のサラリーマンのこれからのキャリア論を展開しています。
「ガンダムは、企業社会の縮図である」と常見氏は言います。(ちなみに、お笑い芸人土田晃之も「ガンダムさえ見ておけば学校はいらない」と言っています)

本書をまとめると、現在のサラリーマンを、主役の「ガンダム」と量産型の脇役「ジム」に例えて、世の中の99%が脇役のジムで、ジムがいないとガンダムも輝かないし、世の中は成り立たない。だからジムであることに誇りを持ちなさい。というもの。

確かに、最近のビジネス書には、「会社に頼らないキャリア形成」や「市場価値を意識して働け」などと言った言葉が並び、真面目なサラリーマンは、資格取得に励むなど、市場価値を上げるために努力していますが、なかなか主役になれず悶々として転職を考える方もいらっしゃいます。
そんな方に勇気を与えてくれる一冊です。

採用でもガンダムばかり採っていては組織は上手く回りません。ガンダムタイプとジムタイプをバランス良く採用することが大切です。
また、当書を13卒生の入社前研修の材料にするのもいいかもしれません。

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第34回 何者


何者 朝井 リョウ

第148回直木賞に選ばれた作品「何者」。
著者の朝井リョウ氏は23歳で最年少受賞です。主役は就活生。23歳の著者だからこそ書けるリアルな内容で、現在の就活生が何を考え、何を求めているのか、どんな気持ちで生きているのか、とても参考になりました。

物語は、意識が高いと言われる男女5名の就活生を中心に描かれます。「学生団体の立ち上げ」、「海外ボランティアへの参加」、「自作の名刺を人事担当者に配りまくる」など、彼らは、就活に有利になると言われることはとりあえず何でもやります。FacebookやTwitterなどのSNSを駆使している点も現在の就活をうまく表現しています。

5名は就活仲間ですが、有名企業から内定の出た学生を妬んだり、仲間より先に内定が出たことで優越感を感じたり、第一志望の企業に落ちたとき、仲間は励ましてくれるけど、「心の中では笑っているんだろ」と疑心暗鬼になったり。そんな就活を通じて、「自分は何者か」を自問自答し、成長していく大学生が描かれています。

現在の就活の問題点や本当の友情とは何かも考えさせられる一冊です。前回ご紹介した「就職戦線異状なし」と読み比べてみると、時代の変化が一目瞭然です。セットで読むのも楽しいですよ。

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第35回 人を動かす2 デジタル時代の人間関係の原則

世界的ベストセラー「人を動かす」を現代版に分かりやすくリメイクされた一冊です。
初版は76年前に発行されていますが、原理原則は今でもまったく変わっていません。この原理原則を今のFacebookやツイッターなどSNS全盛期の時代にどう活用するかが書かれています。
前作をお読みの方は新しい発見は少ないかもしれませんが、読んでいらっしゃらない方は前作より読みやすくなっていますのでお勧めです。また、新入社員へのプレゼントにも最適な一冊かと思います。

「人を動かす」という題名はあまり好きではないのですが、当書では、人を動かすためには、「議論しない」、「手柄をゆずる」、「相手の関心事に関心をもつ」、「間違いを潔く認める」など、自分本位ではなく、相手中心に考えることが大切だと書かれています。
また基本的なスキルとして、「笑顔を忘れない」、「名前をよぶ」、「話を聴く」、「他人をちょっと幸せにする」、「まずほめる」など、“基本的なことだけど大切なこと”がまとめられています。基本的なことができていない人も多いですから、目次を見るだけでも勉強になります。

この本に書かれていることさえ完璧に実行できていれば、他の対人スキルの自己啓発本やハウツー本は必要ないといっても過言ではありません。