人事担当者向けオススメ本

第36回 就活エリートの迷走

高学歴で、面接受けや筆記テストの点数は抜群。しかし、入社後活躍せず3年待たずに辞めていく。
こんな就活エリートの迷走を分析し、原因追究をし、解決法を提案する一冊です。
解決法として挙げているものの一つに「採用活動時期の分散化」があります。

これは、企業が同じ時期にヨーイドンで採用活動をするのではなく、ユニクロが大学1年生から内定を与えているような、採用時期の分散を提唱しています。
この提案は、先月政府が “就職活動開始時期は4月以降へ”と経団連に要請した内容と真逆です。

個人的には著者が唱える採用時期の分散に賛成です。
4月以降の採用活動となると、ますます企業研究の時間が減り、知名度のある企業に応募が殺到したり、会社説明会も他社とのバッティングなどで学生が集まらないなど、中小企業はより苦戦が強いられることは確実です。
また、就活の時期を遅らせても、必ずしも学業に専念するとは思えません。

就活を通じて、社会人とのコミュニケーションに慣れ、マナーや敬語を身に着け、日経新聞を読んで社会を知り、競争意識を持つ。これらは、学問と同等に大切なことだと思います。
この時期が短くなるのは寂しく感じます。

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第37回 起業家


起業家 藤田 晋

「アメーバブログ」、「アメーバスマホ」でお馴染み、サイバーエージェント社長の藤田晋氏の回顧録です。前作のベストセラー「渋谷で働く社長の告白」の続編で、2004年以降に、赤字続きだったアメーバ事業を黒字に転換するまでの苦悩が綴られています。

黒字転換の話は本書を読んでもらうとして、ここでは、藤田氏の採用や人材に対する考え方を書かせていただきます。
「うどん屋をやってもサイバーエージェントは成長できますよ」と藤田氏は豪語しています。優秀な人材を集めてしっかり教育すれば、どんな事業であってもそれ自体が競争力になるという意味です。

優秀な人材を多く抱えることがそのまま競争優位性となるため、採用活動は最重要事項として同社では位置づけられています。 そのため採用活動のピーク時には、優秀な社員は、自分の仕事を犠牲にしてでも協力をしてもらったそうです。学生の志望理由の多くに「●●さんみたいな社員になりたくて」という先輩への憧れ理由が多いことをしっかり理解された取り組みです。

「企業競争力を高めるために、採用力を強化する」。
この同社の採用に対する考え方だけでも読む価値のある一冊です。

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第38回 「やめさせない!」採用 かまってほしい若者たち

本を開いてスグのところに「20人入社して3年後に8人辞めたら、その会社の損失は1億2000万円になります」と書かれています。

前回ご紹介した「起業家」にも、採用した社員が長く働くことが優位性と書かれていましたが、採用はゴールではなくスタートで、いかに辞めさせず活躍してもらうかを、採用から入社後の教育まで細かく具体的に書かれています。

「入社してもどうせ●人程度は辞めるから、その分多めに採用しておき、残る奴だけ残ればいい」というような採用をしている会社もありますが、それが多額の損失になることがこの本を読めば分かります。

若者が辞めないためには、「阿吽の呼吸」や「背中を見て育つ」は禁止で、若者のレベルに降りてあげる心構えが必要です。これは決して若者を甘やかすのではなく、会社の利益のために行うのです。とくに今の若者は納得しないと動か(け)ないタイプが比較的多く、「とにかくやれ」では動けず辞めてしまいます。

しかし逆に一度納得すると徹夜も苦にならないほど頑張る若者も多いのも事実です。若者レベルまで降りて、納得するまで繰り返し伝える丁寧なコミュニケーションが、遠回りに見えても効果的なのです。

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第39回 ヘタレ採用 ドヘタ経営―採用の常識は営業の非常識

自社に入りたい人を吟味して選ぶ「選考活動」から、求職者に自社への関心を高めてもらい、自社を選び取ってもらう「営業活動」へとシフト。“採用再生”に真剣に取り組むための、採用の真髄を伝える一冊です。

既に本格的に採用活動をされている企業様には釈迦に説法ですが、採用活動に対するマインドから、採用マーケティング、無名の中小企業でも新卒採用に成功した中小企業の事例などが書かれており、新任の採用担当の方や、今一度、自社の採用手法を見直したい方には良書だと思います。

求人倍率が低いと、人材は選びたい放題と思いがちですが、優秀な人材は相変わらず取り合いで、待っているだけでは彼らは採用できません。優秀な人材を採用できないと、そのまま経営に直結し、会社が崩壊してしまう可能性がある。それくらい採用は最重要業務だと意識することから変えないといけないと主張しています。

著者は、「採用とは会社を買ってもらう究極の営業」という持論があり、採用担当者は選りすぐりの社員が担当し、採れる人材ではなく、採りたい人材を採りにいくことが本当の採用活動だと説きます。そうすることで、大手有名企業にも負けない採用力にアップするそうです。

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第40回 置かれた場所で咲きなさい

内定者研修や新入社員研修にオススメの一冊。「現在の職場に不満があればスグに辞めてしまう」、「隣の芝生が青く見えてしまう」、「環境を変えれば上手くいくと思っている」。そんな若手社員にぜひ読ませてください。

希望に胸を膨らませて入社してくる新入社員。しかし、希望や理想通り進まないのが社会人。「こんなはずじゃなかった」と思うことが、次から次に出てきます。そんな時にも、その状況の中で 「咲く」努力をする大切さが書かれています。焦らず、腐らずやっていけばいずれ花が咲きます。そのときのために、根を下へ下へと降ろして根を張ること。そして、希望は捨てないこと。これらのことを優しく語りかけてくれます。

個人的に一番心に刺さったのは、「置かれたところこそが、今のあなたの居場所なのです」という一文。環境に不満を持っているときに、「それでも、この場所こそが自分の居場所だ」と思えたら、不満も言わず、逃げ出しもせず、なんとか自分の居場所をよくしようと思うはずです。今、話題の東進衛星予備校の林先生も、「本当に優秀な人は環境に不満を言わない」と言っています。ぜひご一読ください!