人事担当者向けオススメ本

第6回 就活のバカヤロー


就活のバカヤロー (光文社新書) 大沢 仁, 石渡 嶺司

「就活は企業と学生の茶番劇だ!」と現在の就活に問題提起をしているこの本。漢字も書けない学生、就活を迷惑がっている大学教授、人気企業ランキングを上げる為に躍起になる企業、マッチポンプで儲ける人材会社、就活にかかわる四方を深く取材しており、それぞれの実態や裏側を赤裸々に書かれていて、とても面白い一冊です。

就活(採活)の指南書でもなくノウハウ本でも無いので、コレを読んで何か行動に移せるものではありませんが、読み物としては非常に面白く、就活全体を取り巻く環境を知るには最適な一冊です。

また、全ページの下欄に、ハミダシ情報として就活に力を入れている大学の紹介や、採用マーケット情報、大学生のダメな一言などが書かれていて、コレをパラパラ見るだけでも面白いです。

このページのトップへ

第7回 7割は課長にさえなれません

夢の大企業に就職しても、今のように日本経済が停滞していると、ポストが無く7割の方が課長にさえなれず、飼い殺しにされる今の日本の雇用に問題提起をしている本です。

他にも、「30歳フリーター」「2人目が産めない女性社員」「35歳転職上限説」「高学歴ワーキングプア」など、年齢差別、女性差別について、物語風にそれぞれ主人公を変えて書いています。フィクションですが、綿密に取材をされているようで、本当にリアルで現在の雇用問題が手に取るようにわかります。

著者が一貫して伝えている事は、今の日本は閉塞感が漂い、とても生きにくい国であり、それを解決するのは人材の流動化であるという事。少子化により労働力が減っている中、移民の採用には積極的な企業も、フリーターや主婦は採用しない、新卒の機会を逃すと仲間には入れない大企業、など色んなケースが描かれており、雇用問題を考えるきっかけとなる一冊です。

このページのトップへ

第8回 くたばれ!就職氷河期 就活格差を乗り越えろ

本書は現在就活で起きている大きな変化を体系的に解き明かしています。まず新卒の人材ニーズですが、就職氷河期と呼ばれた時代よりも求人の絶対数は増えており、全体の求人倍率でも1倍を切っていない。 にもかかわらず「無い内定」のままの学生が多いのはなぜか?理由は企業は一部の学生しかし採用ターゲットにしていないことにあるそう。

ターゲット校を設定している企業が33%もあり、うち上位20校以下に絞っている企業が82%に達しているとの事。学生も一部の有名企業しか受けようとしない。ここに断層が生まれているとのこと。

また男女間格差、地域間格差、学歴格差、学部間格差という個別の断層も生じている。本書では「就活が上手くいく学生の10の法則」や「女子学生の就活課題を解決する4つの方法」、「地方学生が納得いく就活をするための5つの法則」などの就活心得も語られていて、いずれも説得力があり、現在の就活が俯瞰的に理解できる一冊です。

このページのトップへ

第9回 不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか

「困っている人がいても助けない」「部署内での会話がない」「『おはよう』等の挨拶もなく、皆淡々と仕事を始める」など、今、多くの職場がギスギスしている理由を明らかにし、解決の鍵を示してくれる一冊。社内の人間関係を改善する具体的な方法を、グーグルやサイバーエージェントなどの事例を交えて、写真付きで解説しています。

特にサイバーエージェントは、今の若い人たちの“当たり前”を代弁して組織化している好例です。「人が定着してこそ、組織が成長する」という考え方のもと、有能な社員が長期にわたって働き続けられる環境創りの為に、ユニークな人事制度をいくつも取り入れています。※詳細は本書で

現在の若者のストレス耐性の低さも問題がありますが、制度を創る側としては、それを否定するのではなく、現実問題として受け入れ、若者がストレス少なく働ける環境整備は大切な仕事であり、企業成長の為には不可欠だと感じる一冊です。

このページのトップへ

第10回 好き嫌いで人事


好き嫌いで人事  松井 道夫

本屋さんでタイトルを見た時、「えっ!?好き嫌いで人事をしていいの?」と思い中をペラペラめくっていくうちに、とても本質を突いた内容に感銘を受け、気づけばレジに行っていました。著者は松井証券を急成長させた松井社長。「好き嫌い」で人事評価をしたり、「採用は縁故に限る」など常識を覆すユニークな人事制度を次々と打ち出した業界の異端児。そんな松井社長の独特な考え方、仕組みが明らかになる一冊です。

「人間は気持ちの合った人たちと仲間になり、集団をつくっていく。企業とは、そういう集団。」「人が人を評価する以上、感情的、主観的なものが入るのは避けられない」という事を認めたうえで、好き嫌い人事を堂々と遂行しており、また社員もその制度に納得して働いており、急成長しています。

これからの組織のあり方と、そこで働く人の評価を考える上で示唆するものが多いお勧めの一冊です。