人事担当者向けオススメ本

第76回 辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる!

兜髄野の小山社長が書かれた採用ノウハウ本。 全国の中小企業経営者から尊敬を集め、これまで数々の経営関連本を執筆されていますが、採用本はこれが初めて。小山社長らしく、ズバズバ本音で書かれていて、痛快で楽しく読める一冊です。

正直、今後の武蔵野の採用に影響があるんでは?と心配になるくらい細かいテクニックが書かれています。特に採用計画の話は、なるほどと思いました。「今年は思っていた以上にたくさん採用できた」。これは間違った考え方であると小山社長は言います。

確かに、採用は毎年一定数を必ず採用することが大切です。「昨年は多めに採用できたから、今年の採用はストップする」だと、昨年採用された新卒は、2年間下っ端扱いになり、また「新卒採用をストップするって、ウチの会社大丈夫?」と不安になり、モチベーションの低下に繋がります。また、2年目の社員が1年目の社員を教育することで2年目の社員の成長が加速します。その2年目の成長機会を無くすことは経営的に大きなダメージとなります。

京大卒芸人のロザン宇治原も、問題集を1日5ページやると決めたら、いくら調子が良い日でも5ページ以上やらないことが、毎日継続できるコツと言っていました。

調子が良くても、採用計画に達したら勇気を持ってストップする。これが健全な組織体制を構築するうえで大切なポイントです。

このページのトップへ

第77回 魔法のコンパス 道なき道の歩き方

お笑いコンビ、キングコングの西野亮廣さんのビジネス書に近いタレント本です。最近、自らの肩書を「お笑い芸人」から「絵本作家」へ変え、更には上場企業の顧問になったり、大人の学校を作ったりと、TV以外の世界で大活躍しています。

毎年ハロウィンパーティの次の日に、街中にゴミが溢れる問題に対し、「ゴミを捨てるな」と注意しても解決にならないと考えた西野さんは、逆にゴミ拾い自体をイベント化することで、街の美化に成功するなど、既存の常識にとらわれず、発想力や特異な視点により、自ら道を切り開いていくという、西野節が満載の一冊です。

正直西野さんの才能や知名度があってこそできることもありますが、この発想力や視点は、採用活動でもヒントになりそうです。 「他がやっているから」ではなく、「本当にそれは正しいのか?」という視点を持ち、実行することで、他社と差別化が図れます。

西野さんは「嫌われ芸人」として有名ですが、西野さんのファンはかなり熱狂的です。採用活動でも、「みんなに好かれる」手法ではなく、「合わない人は来なくてもいい」くらい、ハッキリとカラーを打ち出すことで、逆に貴社に合う人材の応募意欲は高まります。ターゲットは狭く、深くが基本です。

文章も抜群に上手く、主張がハッキリしていてとても読みやすく、西野さんが嫌いな人にもお勧めです。

このページのトップへ

第78回 ワタミの失敗

過酷な長時間労働を従業員に強い、自殺者まで出し、「ブラック企業」の代名詞となった和民。それまでは、創業者の渡邉氏はカリスマ経営者として、メディアに度々登場するなど、ビジネスパーソンの憧れの存在でした。

「24時間365日死ぬまで働け」「営業12時間の内、メシを食える店長は2流」などといった過激な発言が話題になりましたが、それでも当時は「さすが渡邉さん」といった感じで肯定的に受け止められていました。それが自殺者が出てから状況は一変し、「ブラック企業」という言葉の流行も手伝って総叩きをくらうことになります。しかし、彼の根本には「地球上で一番たくさんの“ありがとう”を集めるグループになろう」という理念があり、これは本気で想っていたと思います。

しかしこの想いが強すぎて自分を従業員に勝手に投影し、自分と同じ働き方を強要してしまいました。当書では、渡邉氏の強すぎるリーダーシップと、従業員の人の良さに甘えて、労務管理や人事制度の構築など、本来やるべきことを、会社成長の陰に隠れて、ないがしろにしたことが一番の失敗だと指摘しています。

急成長中や事業拡大中の企業様、離職率の高さに悩まれている企業様は、この和民の失敗から学ぶことも多いと思います。創業者やトップの崇高な理念を従業員とどのように共有し、会社を成長させていくのか、考えさせられる一冊です。

このページのトップへ

第79回 左ききのエレン

広告代理店の最大手、電通の新入社員が過労により自殺し、大きなニュースになっています。電通の深夜残業は有名であり、それでも入社したいという若者が溢れかえっている羨ましい会社でしたが、この一件を機に風向きが変わるかもしれません。

この本は、電子書籍のみで読める漫画です。舞台は、大手広告代理店。主人公は夢を追う駆け出しのデザイナー。絵はひどいですが、広告代理店の実情がよく理解できる一冊です。電通の一件で、より長時間労働への規制は厳しくなるでしょう。長時間労働は美徳ではなく、ダサいという価値観になれば、男性の育児休暇取得も増え、女性の社会進出が進むでしょう。

しかし、この主人公のように、時間を忘れて、夢のために目の前のことに一生懸命取り組む姿勢を、否定すべきではないとも思います。サイバーエージェントの藤田社長も起業時は週に118時間働いたからこそ、最年少で上場を果たし(当時)、日本を代表するIT企業に成長しました。スティーブ・ジョブズも松下幸之助さんも寝る間も惜しんで開発に没頭したからこそ、後世にその名を残したんだと思います。

強制的に長時間労働をさせるのは絶対にダメですが、夢の実現のため、自らの意志で長時間労働をする人の邪魔をしてはいけないとも思います。このバランスを上手く保つことが、1億総活躍社会の実現にとって必要な気がします。

このページのトップへ

第80回 嫌われる勇気

世界的に有名な心理学者アドラーの教えを伝えた一冊です。ベストセラーなので、読んだ方も多いかもしれませんね。哲学的な内容で、回りくどい説明も多いため、読みきるのに大変ですが、年末年始などのまとまった時間に読んでみるのも、心のリセットとしていいかもしれませんね。

この読みづらい本を一言でまとめると、「自分の人生に自信を持って生きること。他人の評価は気にしても仕方が無い」ということでしょうか。

これは採用活動でも、とっても重要な考え方だと思います。説明会で話す内容でも、サイトの打ち出しでも、誰からも好かれるような内容にすると、平凡な内容に落ち着き、誰からも嫌われない代わりに、誰の心にも響かない内容になりがちです。「この層には徹底的に嫌われるけど、自分たちの主張はこうだ。これに賛同できる人にだけ来てほしい」くらい明確なメッセージを打ち出すほうが、求める人材が来てくれます。

先のアメリカ大統領選挙を制したトランプもそのスタンスでした。大手予備校の人気講師も、「どれだけ良い授業をしても合わない人がいる。その人に合わせちゃうと、今まで満足していた層に嫌われる」と言っていました。採用活動でも、自社に合わない人材に好かれても仕方ありません。合わない人にどれだけ嫌われても、合う人に好かれれば成功です。合わない層に気を遣う必要は一切ないのです。