人事担当者向けオススメ本

第86回 お祈りメール来た、日本死ね「日本型新卒一括採用」を考える

日本の新卒採用の仕組みやメリット、デメリットを、海外のそれと比較しながら分かりやすく、論理的に解説しています。ちなみに、タイトルと内容はほとんど関係ありません。

著者は雇用のカリスマと呼ばれる海老原嗣生さん。海老原さんらしく、データをふんだんに提示し、断言的な文章で書かれているので説得力があります。採用活動のハウツー本ではありませんが、採用に関わる人はぜひ読んでほしい一冊です。

結論は、新卒一括採用は、デメリットもあるがトータルではメリットのほうが大きいという主張です。新卒一括採用のおかげで日本の失業率が極めて低い事実や、日本の新卒採用は欧米と違い、職務を限定していないので「その仕事がなくなったから整理解雇」という論理が使いにくいことなど、納得のいく主張ばかりです。

日本型雇用も欧米型雇用も一長一短。光と影があり、全面否定ではなく、日本の良いところは認めて、欧米の良いところを取り入れる柔軟な考え方が求められますね。個人的な感想ではこの本を読んで、改めて日本に生まれて良かった。日本型雇用は絶対に壊したくないなと感じました。

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第87回 インターン!

今回は映画のご紹介!6年連続「後輩にオススメしたいインターンシップランキング」で6年連続1位を獲得した、ワークスアプリケーションズさんが舞台の映画です。

昨年の秋に公開されましたが、近隣の映画館では、ほとんど放映されず、劇場で見ることはできませんでしたが、先日DVDが発売されたので、早速見てみました。

自信のない主人公が、ワークスさんの学生向けのビジネス実践型プログラム「インターンシップ制度」を通して、成長していく姿が描かれています。学生がどの会社のインターンシップに参加するか、その判断基準はプログラム内容に大きく影響します。

その点ワークスさんのプログラムは、インターンシップを通じて人間的に成長でき、生きていくうえでの大切な気付きを与えてくれる素晴らしい内容です。学生が難しい課題に立ち向かい成長していく姿を見ていると採用目的ではないインターンシップこそ、今の日本に必要ではないかと痛感しました。

またこの映画の軸となる 「7つの大財」という考え方は、社会人でも取り入れたい、とても参考になるものでした。ストーリー自体は学生向けですが、採用に関わる方なら十分楽しめる内容です。

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第88回 面接官の心を操れ!無敵の就職心理戦略

メンタリストDaiGoさんが、就活生向けに書いた就活本です。就活生向けの就活本を読むことにより、相手がどんな対策をしてくるのかがわかり、それに騙されないよう、手を打つことができます。

「面接官は第一印象だけで判断する」「嘘を武器にせよ」「面接には厚底の靴を履いていけ」など、興味をそそるタイトルが並びます。

面接官の心理や弱点、癖などを心理学の視点から指摘し「だからそこを突け」という内容の本なので、読むことによって、逆にそこを突かれないように対策することができます。感じの悪い本に思われるかもしれませんが、良いこともたくさん書かれています。

たとえば 「ないものを求めず、持っているものを見る」「自信は毎日30分のウォーキングから生まれる」「72時間以内に行動する」など、自己啓発本としても素晴らしい内容でした。

最後には、その日良かったことを、毎日3つ書くことを習慣にすると、日常生活にあるたくさんの幸せを見つけられるようになり、幸せな人生が送れる、と書かれていて、嫌な感じのタイトルとのギャップで、読後はスッキリとした気持ちになれました。いろんな意味で役立つ一冊です。

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第89回 逆転の「新卒採用」戦略

採用コンサルタントとかではなく、中小企業の社長が、自社の新卒採用の経験を基に書かれた、新卒採用ノウハウ本です。

中小企業が大企業との採用戦線に勝つためには、将来の夢を語るしかありません。

学生の中には、大企業に入るのではなく、中小やベンチャーに入り、自分たちの力で大企業へ成長させることにワクワクする学生が一定数います。それらの学生に対し、堂々と夢を語れば、大企業も羨む学生が採用できる可能性が高まります。そのために大切なのは、明確なビジョンを持つことと、それをトップが直接語ることです。その重要性をこの本で証明しています。

他にも、インターンの有効性、面接時の対応、内定フォローまで、新卒採用の工程全てを解説しています。この1社だけの成功事例とはいえ自社のノウハウを惜しげもなく公開してくれるのは感謝ですね。

補足すると、著者は合説には否定的な考えをお持ちでしたが、きっちり戦略と戦術を持って挑めば、知名度の低い企業様も合説で成果が出ます。Webから応募を待つだけではなく、対面で直接口説く効果は高く、内定者との出会いのきっかけは合説だったというケースが多いのも事実です。

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第90回 採るべき人 採ってはいけない人

売り手市場のこの時代に、あえてこの本をご紹介します。学生優位の採用活動となると、採用目標数を達成するために、つい採用基準を下げたり、片目をつぶって採用ししたりしがちです。

しかしそうした場合、入社後の早期離職や、もっといえば「辞めてほしいのに居座られる」 こともあり、大きな損害になりかねません。ドラッカーも、「正しい人事のために4時間をかけなければ、あとで400時間とられる」と言っています。

この本では、正しい人事をするための行動分析(アセスメント)についてかなり細かいところまで書いてくれています。たとえば、会社説明会や面接でこちら側が話しているとき、笑顔でうなづき、一生懸命メモしてくれる学生には好印象を持ちがちですが、それらが目立つ学生は、実際には真剣に話を聞いてなく、ただアピールしているだけの可能性もあるなど、行動分析に基づいた注意点を詳しく解説されています。

採用目標は大切ですが、 基準を落としてまで目標にこだわり過ぎて失敗しないように、当書を参考に見抜く視点も大切にしてください。