人事コラム

第1回 不況下に積極採用をする企業は成長している

今春卒業した学生の就職内定率は史上最悪となりました。しかし、2011年卒者の就職は、今年より更に厳しくなるという企業様の声がマスコミ各社で報道されています。 昨年よりは、株価は上がり、新聞各紙でも、「黒字化」「増収」「増益」などの文字もよく目にするようになってきています。しかし、この景気回復基調にあっても、雇用には直ぐに反映されないようですね。

弊社は、学生の為の「就活勉強会」などを開催しており、学生の声を聞く事は多いのですが、学生からは、「何十社も面接に行ったけど全部ダメでした。自分は社会に必要とされていないのか」という深刻なまでに落胆する声も聞こえてきます。 日本の社会では、まだまだ新卒時で正社員になれないと“自分の人生が閉ざされてしまう”という焦燥感に追い立てられ、就職活動がいっそう重くのしかかってくる学生もいます。中には、高い学費を払って就職のためだけに留年する学生も増えています。

しかし、大学まで進学し勉強しても、仕事が無いという日本の未来は恐ろしいですよね。このままでは、日本の労働力、経済力、国力が世界にどんどん遅れをとっていきます。

そんな中、「今こそ優秀な人材を採用するチャンス!」と例年より採用数を増やしている企業もあります。歴史を振り返ってみると、不況期に採用活動を積極的に行っている企業は、その後、急成長を遂げているケースが多いのです。例えば、金融不況の96〜99年はIT業界、人材業界が採用に力を入れ、その後、急成長を果たしています。00〜03年のITバブル崩壊時には流通サービス業が大量採用を行い、今の市場規模に至っています。

不況は採用、そして成長のチャンスです。

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第2回 “働きやすい職場“より”働きがいのある職場”

転職希望者の方と面談していると、「働きやすい会社を紹介してください」と言われる事がよくあります。働きやすい会社も、もちろん大切ですが、働きやすさとは一歩間違えると、 甘い、ぬるい、馴れ合い、など、単なる居心地の良い職場になってしまう可能性があります。私は個人的には、“働きやすさ”より“働きがい”が大切だと思います。

働きがいとは、自分の仕事を誇りに思えたり、成長している自分を感じれたり、目標に向かって突き進んでいたり、目標を達成した時の達成感だったり。そんな感覚です。

話は変わりますが、イチロー選手が、2004年にメジャー新記録のシーズン258安打を達成した後にこんな事を言いました。「楽しんでやれ、とよく言われますが、僕にはその意味がわかりません。楽しむというのは、決して笑顔で野球をやることではなくて、充実感を持ってやることだと解釈してやってきました。ここに辿り着くまでの事を、いわゆる、「楽しんでやる」というような表現は、とてもできません。」と。会社での働きがいとは、この感覚に近いのかもしれません。

“福利厚生が充実している“ ”休みが取りやすい“ ”残業が少ない“ ”みんな仲が良く笑いが絶えない職場“など、とっても大切ですが、それに加えて、”自分が頑張ったことが認められる“ ”自分が会社を支えている“ ”自分の仕事に誇りを持っている“ ”憧れの先輩のようにバリバリ働きたい“ ”自社のサービスを将来はこんな風に育てたい“など、こんな風に、自分の存在意義を感じたり、仕事の意義を感じたり、将来の夢や目標を持てたり。これらの事を思える社員が多い組織は、ただ、働きやすい職場=居心地の良い職場を提供しているだけの会社よりは強い組織だと思いますし、社員も活き活きと働けるのだと思います。

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第3回 グローバル化に伴う求めるスキルの変化

楽天市場で有名な楽天と、ユニクロで有名なファーストリテイリングが、数年以内に社内公用語が英語になるということで大きな話題になっています。ファーストリテイリングでは新卒社員の3分の2を外国人にするようです。

時代はすっかりグローバルですね。

日本市場が縮小に向かうなかで、「海外で稼ぐ」「世界企業を目指す」 という、三木谷さんや柳井さんの意気込みが見えてきます。三木谷さんは、「今や英語は読み書きそろばんと同じ。2年後に英語がしゃべれない執行役員はみんなクビです。」 とキッパリ。

確かにお隣の韓国や台湾の企業では、次々に社員をMBAに送り、アメリカ人を含む大量の外国人MBAを採用し、本社では英語の公用語が当たり前になってきています。

また、海外で優秀な人材を採用するためにも、社内公用語が英語であるほうが有利になります。例えば、海外進出をして、その国でプレゼンスを高めようと思ったら、その国の一流人材を採用する必要があります。しかし、現地の優秀な人材は、日本語が公用語の会社よりも、知名度も高く英語が公用語の米企業に就業する可能性が高く、競争力が落ちます。

私のクライアントも、海外に工場や支店を持っていらっしゃるところが多く、エンジニアや資材調達、経理、営業職等は、語学力を求められるケースが多くなっています。

しかし、今後このようにグローバル化を推進しようとすれば、海外子会社を含む人事の一元化や海外での現地採用も必要不可欠であり、人事部にも英語が問われる時代が近いうちにくる事が予想されます。

全ての職種に英語が必須要件になってくる時代はそう遠くないかもしれません。グローバル時代に適応できる人材採用、人事戦略が今後の企業成長のキーになりそうです。

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第4回 女性は肌の調子でモチベーションが左右される

先日、とある上場企業の社長がブログで、「女性は肌の調子でモチベーションが左右される」と書かれていました。私自身、深く共感したので、読み進めるととても興味深い事が書かれていました。

この会社では福利厚生として、女子社員に美肌ドリンクやエステ券、温泉旅行などをプレゼントする制度をはじめたそうで、これが大好評のようです。この会社は男女比が半々で、営業の成績上位には女性が大半を占めるそうです。女性がモチベーション高く働く事で、会社の業績も右肩上がりで伸びているそうです。

世間では女性の社会進出が進んだとはいえ、まだまだ女性の管理職は全体の数パーセント。男性の管理職が多い中で、男性管理職が、女性の気持ちを汲んであげられるかがとても大切になると思います。管理職の男性が、昔ハードワーカーの猛烈社員だったら注意が必要です。根性主義のもと、男女共にハードなマネジメントを行ってしまえば、一時的に業績を上げても、女性はいずれ肌は荒れ、モチベーションが下がり、退職につながっていきます。

この社長自身も若い頃はかなりのハードワーカーで、睡眠時間も惜しんで猛烈に働いていました。食事もファーストフードかコンビニ弁当など健康に悪いものばかり食べていたそうです。しかし、現在の女性の特性をきちんとつかみ、女性の価値観を受け入れ、このような配慮ができるのはとても素晴らしい事だと思います。

「女性が働きやすい職場」「女性の管理職育成」などに力を入れている企業が増えてきていますが、ます先に、女性に対する働き方の価値観を知り、意識を変えないと上手くいかないように感じています。

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第5回 喫煙所トークから新規事業がスタート!?

社員同士の会話を見える化できる“ビジネス顕微鏡“という画期的な製品を日立ハイテクノロジーズ社が開発されました。このビジネス顕微鏡というのは、社員同士のコミュニケーションを見える化する事で、これまで定量的に把握することが困難だったホワイトカラーの業務中の活動状況や組織内のコミュニケーションの実態を明らかにできるシステムです。名札型のセンサーを社員が首からぶら下げ、社員同士の会話の内容をセンサーが反応し、サーバーに蓄積します。会話の中でうなずいている様子や小走りに移動しているなどの動きまでわかるそうです。

このセンサーにより、組織の壁、関連部門間の連携、チーム内のコミュニケーション、幹部の情報伝達の状況等を分析でき、組織、チームの強化ポイントが発見され、改革へと導くことで組織力をより高めることができるそうです。また、コミュニケーションがどこで、どの様に行われているかを分析することにより、知識創造を生み出す環境づくりも促進できるそうです。

あるITベンチャー企業がこのサービスを導入したところ、思わぬ効果があったそうです。それは、喫煙所での社員同士のインフォーマルな会話から新規事業のアイデアの話が出て、それがそのまま事業化されたという話です。もしこのセンサーを導入していなければ、そのまま喫煙所での話だけに終わり、せっかくのアイデアもお蔵入りになっていたそうです。

一方では、会話を盗み聞きされたり、縛り付けられているように感じ、反発する社員も中にはいるでしょう。ですので、導入の際は、トップダウンで行うより、メリット・デメリットを伝えたうえで、社員に理解を求め、導入するのが健全のようです。

このセンサーを有効活用する事で、先進国の中で最も低いと言われている日本のホワイトカラーの労働生産性が改善され、日本経済が復活すれば嬉しいですね。