人事コラム

第106回 悪口はブーメラン。

「面接で『他に受けてる会社は?』と聞かれたので、正直に伝えると、『その会社は辞めといたほうがいい』『学生の前ではニコニコしてるけど中はブラックやで』とか言われて、その会社のこと(悪口を言った企業)が一気に嫌いになって辞退しました」。これは、19卒の学生から聞いた話です。自社に入ってもらいたい気持ちが強すぎたのか、併願企業の悪口を言ってしまい、結局自分が嫌われてしまったのです。

しかもこの学生は、この出来事を友達や知り合いにも言って回ったため、この学生だけでなく、周辺の学生にも嫌われてしまう結果になりました。他社の悪口を言うことで自分たちの優位性を高めようとする行為は、全くの逆効果です。恐らくほとんどの会社の新入社員研修で、「他社の悪口を言ってはいけない」と教えられているはずです。
自分が好きな人や物、サービス、会社、家族などの悪口を言われたら、誰でも嫌な気持ちになるでしょう。そもそも、悪口を言う人に魅力を感じません。

その学生の併願企業は確かに離職率が高く、私たちの転職者向けサービス「はりまっち転職」に、その会社を辞めて登録する人が多い会社です。その採用担当者さんは、親切心で言ったのかもしれません。だとしても、悪口はご法度です。他社のことではなく、自社の魅力を伝えることに専念してください。

以前、私たちの大切なお客様に対して、はりまっちの悪口を散々言って契約を迫ろうとした競合他社がいたそうです。そのお客様はそれを不快に思い、その会社を追い返してくれたそうです。感謝の気持ちと同時に、私たちは絶対に他社の悪口は言わないと、改めて決意しました。

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第107回 作り手に巻き込むことが、これからの採用に求められる。

はりまっちが主催するイベントは、すべて自分たちで設営・撤収作業をしていますが、大勢の学生がボランティアで手伝ってくれます。イベント終了後に開催する飲み会では、「もっとこうした方がいい!」という建設的で前向きなアイデアをいっぱい出してくれます。良い案はスグに私たちも取り入れますし、「私も協力しますよ」といって、イベントの広報や運営を手伝ってくれたりします。
彼ら彼女らは、はりまっちが主催するほとんどのイベントに参加してくれますし、友達を連れてきてくれます。ということはイベントの設営や企画に関わる学生の数が多ければ多いほど、イベント自体に参加する学生の数も多くなるんではないかと考えます。

今、日本一“人を呼べる人”キングコングの西野亮廣さんは「お客ではなく、作り手を増やすことが大切」だと言っています。40万部近く売れている絵本「えんとつ町のプペル」は西野さん一人で描くのではなく、分業制を取り入れました。
「今まで僕らは売ろう売ろうとしてきていたが、作り手を増やせばいい。そうすれば、作り手が消費者になる。だから、えんとつ町のプペルは1万人で作ったから、予約段階で1万部売れることが確定していた」と西野さんはおっしゃっています。西野さんは他にも「店員は一切接客せず、お金を払うお客が自分でお酒を出すスナック」を作ったり、「お金を払って参加するお客が設営や準備で働かされるイベント」を開催したりしていますが、どれも大盛況です。

内定者が内定式や入社式を自ら企画・運営したり、後輩向けの説明会でプレゼンしたりする事例は増えています。企業理解が深まり、愛社精神も育むことができますし、後輩を説明会に誘ってくれたりもします。もっと踏み込んで、自社のインターンシップを企画するインターンシップや、会場設営、撤収から参加させる会社説明会なども面白いと思います。

10年以上前にSNSの発達により「Web2.0」という言葉が流行り一方通行から双方向が当然の考え方となりました。更に時代は進み、ユーチューバーが自ら企画発信するなど作り手側に回り、新しい時代を作っています。今後の採用は、いかに求職者を作り手側に巻き込むかが鍵となりそうです。

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第108回 採用目標が1名なら母集団は1名。これぞ究極の採用活動。

先月ある大学の学内合説に、自社の採用担当として参加し、95名の学生さんがブースに来てくれました。しかし一緒に働きたいと思えた学生は1人だけでした。その学生だけに集中して話したかったのですが、そんなことができるわけもなく全員と平等に目を合わせて説明しました。そして説明終了と同時にその学生は大勢の学生の波に流されてブースを去っていきました。この学生一人だけ来てくれていたなら、もっと双方向のやり取りをして、じっくりコミュニケーションを図れていたはずです。95名も学生が“来てしまった”ことが足かせになってしまいました。

多くの企業様は採用活動におけるKPIを設定されています。10名の採用目標なら、15名の内定、50名の面接、70名の会社説明会参加、200名の母集団(Webエントリーや合説来場者)が必要といった感じで、採用目標を達成するために各フェーズでの必要数を逆算します。このKPIの考え方でいくと、10名の採用目標数を達成するには土台となる200名の母集団が最重要指標だ、という結論になり、200名の母集団を集めることが目的にすり替わってしまいます。そしてターゲットでない人材も含めて母集団集めに躍起になり、その結果、採用しない人材ばかりが集まってしまい、採用目標数未達という画竜点睛を欠くケースが毎年起きています。

未達の場合は、KPIを基に振り返りを行います。上記のようなケースなら 「母集団の質に問題がある」と特定できそうですが、やっかいなことに近年、この母集団目標が達成できていないことが多いため、「やっぱり母集団が足りないのが原因だ。来年は母集団の目標は必達でいこう!」といった誤ったイシューを設定しがちです。採用しない人をいくら集めても意味がありません。むしろ、採用したい人との時間が十分に確保できなくなることもあります。

大切なのは母集団ではなく、ターゲットの人材を採用することです。1名の母集団で1名の採用。これが究極の採用活動です。手段と目的がごっちゃにならないように注意をしてください。

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第109回 毒にも薬にもなるインターンシップ。

「インターン行ったけど全然おもんなかったから、その時点で『無いな』と思いました」今年よく聞く学生の声です。20卒から多くの企業がインターンを実施しましたが、そのほとんどが成果に結びつかず、逆に評判を落としてしまうケースが多々ありました。

そのため「他社はどんなコンテンツをやっているのか」「どんなワークなら興味を持ってくれるか」など、具体論に関心が向きがちですが、成果を出すためにはもっと抽象度の高い視点から考える必要があります。それはつまり、目的の明確化です。「なぜインターンシップを実施するのか」。プログラムもワークもこの目的に沿って設計しないと、張りぼて感満載のストーリー性のないものになり、学生の心を動かすことは難しいでしょう。「他がやっているからうちも」ではなく「なぜ今インターンをやるのか」。すべてはここから始まります。

そして次に大切なことは、ターゲットの明確化です。どんな学生に来てほしいのか、これを決めないことには、どんな中身にすればいいかも決まりません。開催目的とターゲットの明確化。これは絶対に外してはいけません。逆にこの2つが決まればコンテンツやワークも作りやすくなります。

また、とても細かいことですが、当日の運営面でのグダグダも、志望度を下げてしまう大きな要因です。開催する際は、綿密な計画と事前準備が必要です。たとえば、参加メンバーに再度開催目的を共有すること、分単位のスケジューリングと役割分担、ワークの目的共有、フィードバックの際の評価基準の統一化、出迎えや見送りの際にかける一言、終了後のフォロー体制など、細部まできっちり設計し、何度もリハーサルを重ねます。そして、終了直後に振り返りを行い、改善点を確認し、次回へ活かします。これらを繰り返すことで、運営面での課題は解消されます。

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第110回 ブランディングは内側から。

「人事の人がイケメンだったんで、とりあえずブースに座りました」
「はりまっちに載っていた社員の人がみんな楽しそうやったからエントリーしました」
「トイレがきれいで、カフェテリアもあるお洒落な会社だったんで興味を持ちました」
これらの声は毎年必ず複数名の学生から聞く言葉です。

見た目の印象が、学生の関心度に大きく影響していることが分かります。つまり外見を磨くこと、魅せ方を意識することこそ、採用活動成功の第一歩です。「中身も無いのに外見だけ取り繕っても意味ないだろう」。そんな声が聞こえてきそうです。おっしゃる通り。確かに現在は外見だけでは採用は難しくなってきています。
中身があってこその外見であることは間違いありません。しかし中身が良い会社さんは、そこに自信があるため、見た目をおろそかにしがちです。そうなると、せっかくの素晴らしい中身を知ってもらう段階までいかないのです。できる企業はこの事実に早期に気付き、採用ブランディングを強化してきました。

以前のはりまっち便りでは、ダイセルや大和工業など、特にBtoB企業が採用ブランディングに力を入れていることをご紹介しました。しかしこのブランディングは一朝一夕では築けませんが、崩れるときは一瞬です。 先日とある会社が、大炎上しました。
同社はダイセルや大和工業と同様にBtoB企業でありながら、採用を目的としたTVCMなどの広告を積極的に流し、ブランディングを強化してきました。しかし、同社の社員が不遇な人事を受けたことをSNSに投稿したところ、瞬く間に大炎上しました。同社の信頼は失墜し、今まで築いてきたブランド価値は地に落ちました。

この騒動に対し、平成に残る名著「言葉にできる」は武器になる。の著者、梅田悟司氏は自身のFacebookで、「外向けにはいいことを言っておきながら、内向けには平然と真逆の行為をする。ブランディングの基本は、逆だよ。内側を大事にし、溢れるように、企業人格が外へと染み出していく。その先に永続的な成長がある」と投稿しました。
中身があってこその外見。特にこれからの採用活動は、ココがポイントになってくるでしょう。まずは内側から見直してみませんか。