人事コラム

第11回 移民の受け入れよりも、先にやるべきことがあるはず

弊社に登録される転職希望者の中には、大学卒業後直ぐに就職せず、海外留学をした人、アルバイトで社員並みに働いて、戦力として頑張っていた人、また、社会人になってからしばらくして会社を退職し、学び直しの為大学院へ入学された方、フリーランスとして仕事をされていた方などいろんな方がいらっしゃいます。彼らと話をしていると、とても前向きで、バイタリティがあり、高い目標を持っています。しかし、世間は彼らに非常に厳しく再就職の道が容易ではありません。

まだまだ日本社会は、新卒で入社した会社で定年まで勤めるのが普通とされています。中途採用も、1社経験の方やブランク期間の無い方から優先的に採用されています。ですので、彼らのようなブランク期間がある人材は敬遠されがちで、一度レールから外れると途中乗車は許されにくい現状です。

一方、欧米や中国などでは、その人の経歴は関係無く、その人が、“今何ができるのか”の判断なので、彼らのようなブランクのある人材にも広く間口が開いています。日本では例外的に、「遠回りした人材の方が面白い」という理由で、大学卒業後に海外留学などして新卒入社をしなかった若手の採用を積極的にし、その若手の活躍で業績を伸ばした企業もあります。経歴よりも、その人の今の能力、ポテンシャルを重視した、日本とは真逆の採用です。

人口減少に伴い労働力の低下が叫ばれる中、現在経済界では、移民の受け入れ案に積極的ですが、それよりも日本でくすぶっている優秀な人材を真っ先に採用していただきたいと思います。そして閉塞感の無い、良い意味での人材流動化を実現してほしいと思います。

このページのトップへ

第12回 新卒採用、中途採用を上手くミックスさせた採用戦略を

4月はなんといっても新卒社員の入社式。ダイネングループにも8名の新卒社員が入社しました。みんな慣れないスーツやひきつった笑顔で研修を受けており、初々しくとても微笑ましく思いました。同時に希望で胸がいっぱいだった自分の新卒の時を思い出し、初心に戻れたように思います。新卒を採用することで、既存社員にも良い影響を与えてくれますね。

さて今回は、改めて新卒採用の意義について考えてみたいと思います。わざわざ未経験の新卒を採用するよりも、社会人経験のある中途を採用する方が、採用の手間や教育コストもかからず合理的のように思えます。しかし、企業が中途採用者のみで組織を構成してしまうと、企業文化が醸成しない、ベクトルの不一致、いびつな組織構成などを引き起こしてしまう可能性があります。逆に新卒採用の効果は、企業文化が醸成しやすい、組織が活性化する、若手社員が後輩を教える事で成長する、組織ピラミッドの均等化、などのメリットがあります。

新卒社員は毎年定期的に2名以上の採用が理想です。同期がいる、いないとでは新卒の気持ちは大きく変わってきます。良き仲間、良きライバルとして切磋琢磨しながら成長していきます。夢を語り合え、時には愚痴も吐き出せる貴重な存在で、離職率低下に繋がります。そして、彼らが二年目になった際、後輩が入ってきた事により、今まで以上に張り切り、意欲的になります。後輩への指導により、自分自身の成長にも繋がります。そして、彼らが三年目に入った時に入社する新卒は、企業理念に共感した近い年代の先輩がいることで、入社後もその想いを忘れることなく気軽に語り合える機会があり、企業風土・文化が醸成されます。

ただ、現在の変化スピードが激しい社会では、遅れが命取りになる事もあり、新規事業や事業拡大の際は積極的に経験者を中途採用する事も必要です。新卒定期採用、経験者採用を上手くミックスした採用戦略が今後の企業成長には欠かせません。

このページのトップへ

第13回 Facebookで採用活動

今話題の交流サイト(SNS)「Facebook(フェイスブック)」を、採用活動に活用する企業が増え始めています。

最近CMでよく流れている「アメーバピグ」の運営会社サイバーエージェントは、Facebook内に採用活動を目的としたファンページを公開し、Facebook経由での採用活動を行っています。現在公開しているのは、2011年度の中途採用と2012年度の新卒採用を目的としたファンページ。同社のビジネスフィールドは主にインターネット上であることから、ITリテラシーの高い人材を選別する効果も狙っているようです。

同社のファンページには、オフィスや社員インタビュー、セミナー内容などを写真・動画で紹介するコンテンツを公開。掲示板を活用した質問も受け付けています。通常の採用フローに加え、Facebook限定の就職イベントも開催。Facebook経由の採用では、2011年度の中途採用で10人、2012年度の新卒採用でビジネスコース・テクノロジーコース合わせて10人の採用を計画しているそうです。

あるベンチャー企業では、2012年度新卒採用に当たって、「Facebook上で200名以上の友達がいる学生」は、会社説明会や書類選考、一次選考をパスして、二次選考からスタートできる仕組みを構築しています。 「ソーシャルメディアを使いこなしている学生=新しいメディアへの対応力と情報発信力の高い学生」と評価しています。

欧米に比べて日本では普及が遅れていたFacebookですが、ここに来てファンページをオープンする企業が相次いでいます。既にユニクロ、H.I.S.、ローソン、Dellなどがファンページを立ち上げ済みです。どの企業もFacebook単体での採用活動ではなく、あくまで就職サイトの補完的な役割で利用しているようです。新しい採用のカタチが広がっていますね。

このページのトップへ

第14回 今年は手厚い内定者フォローを

東日本大震災の影響で東日本の企業の採用活動が例年に比べて遅れており、逆に西日本の企業の採用活動は、 例年より多くのエントリー数、上位校からのエントリー、早い時期の内定出しなど、順調に進んでいると聞いております。しかし、内定は出すものの内定承諾書をいただけないという企業さんが多くいらっしゃいます。それは、昨今の景気不安から、上位校の学生も大手・中小にかかわらず数多くエントリーしている事や、震災の影響で選考が遅れている企業の結果を待ってから返事をしたいという学生が多い事が原因として考えられます。また、とりあえず内定承諾書は提出するものの、就職活動を継続する学生も多いようです。よって西日本の企業の今年の採用活動は中盤までは順調で、終盤に苦戦が強いられると予想されます。 そんな中、「欲しい」と思った学生には今年は特に手厚い内定者フォローが大切になってきます。

内定者には大さく分けて3つのグループに分けられます。

@内定企業に満足しているグループ
A他社志望の滑り止めグループ
B「この会社でいいのか」と悩むグループ

@の学生は安心ですが、ABの学生は要注意です。内定が出たら、家族や友達などと内定企業の話題になります。その時に「何故その会社を選んだのか」をしっかり自分の言葉で話せないといけません。また入社を反対された場合に、きちんと自分の意思を語れるよう、自社の魅力、入社後のキャリアプランなどをしっかり伝えておくことで、他人からのマイナス影響は少なくできます。それでも悩んでいる場合は、父兄向けのパンフレットや説明会、会社見学会なども実施する必要があります。

他にも、会社行事に参加を促したり、定期的な内定者懇親会、入社前研修、FacebookなどのSNSを使った情報交換、内定者同士に内定式を企画させるなど、今年は昨年までとは違った内定者フォローを取り入れてみてください。

このページのトップへ

第15回 企業が求める人物像と学生のアピールポイントのミスマッチ

デジタルカメラで有名なオリンパスは、英国人のマイケル・ウッドフォード氏を社長に抜擢するという大胆な人事に打って出ました。調和とコンセンサスを重んじるあまり、他者との衝突を避ける日本人の働き方を大きく変革したいと考えているそうです。「日本は調和とコンセンサス重視の経営で成長を果たしたが、それが現代では逆効果に陥っている。特に日本企業の会議は出来レースや茶番劇が多く意味がないものが多い。立場など関係なく各人が本音で自由に意見を言い合える関係性が必要である」と指摘しています。

このように経済だけでなく、日本企業内の人事もグローバル化が進んでいます。そんな現代の日本企業の課題は、語学の問題だけではなく、考える力、自分の意見を堂々と主張できる力、交渉力、対立を恐れない精神など、今までの日本企業では疎外感を味わっていたタイプの人材が必要になってくるかもしれません。今後、このような人材に疎外感を感じさせてしまう組織は、成長にブレーキがかかるかもしれません。

一方、最近の就活中の学生のアピールポイントのトップが“協調性”です。競争を強いられなかったゆとり世代らしい答えですね。現在の低すぎる就職内定率は、景気や震災が原因と言われていますが、実際は、このゆとり世代の就職戦線突入と、現在の企業が求める人物像とのミスマッチが大きな要因であると感じています。ある採用担当者によると、社員教育ではどうにもならないレベルらしく、ゆとり教育のつけが回ってきている現状にため息をついていました。

このような環境化での採用活動では“採用しない”勇気を持つことも大切だと思います。例え採用予定数に達していなくても、「少しでも迷ったら落とす」くらいの心持ちで、ぜひ妥協せず粘り強く採用活動をおこなってください。