人事コラム

第112回 デキる採用担当者が、こぞって抽象的思考力を磨く理由。

エントリーシート完璧!会社説明会での態度も好印象! 面接前からワクワクが止まらない。面接でも期待を裏切らず、会った瞬間の弾ける笑顔、凛とした姿勢、ハキハキした元気な声。面接が始まって数分しか経っていないのに気持ちは既に「採用!」。
頭の中は「どうすれば口説き落とせるか」でいっぱいに。残りの面接時間を、自社の魅力をアピールする場として使う。面接後は想いを込めて手書きで長文の手紙を送る。次回の面接も「選ぶ場」ではなく 「選ばれる場」と認識し、自社の魅力を伝えることを中心に進行。エース社員を面接に呼び、面接終了後には座談会も設ける。学生の反応も変わらずニコニコ笑顔。そして満を持して内定を伝える。しかし返事は…「辞退します」。 これは、ある企業様から聞いた実話です。似たようなことを体験した企業様も多いのではないでしょうか。

この学生が辞退した理由は、「自分のことを分かってくれていないのに…」でした。企業様は学生に対し第一印象で「採用したい」と感じたため、それ以降は、内面的なことを深堀りせずに、口説くほうにばかり神経を集中させてしまいました。つまり、相手を理解しようとせずに、理解してもらおうとしたのです。
人間関係の原則は「理解してから、理解される」です。相手は何を大切にしていて、どのような場面でモチベーションが上がるのか、下がるのか、将来どうありたいのかなど、まず先に理解に徹することが大切です。「この人は私のことを分かってくれている」と感じてもらえれば信頼が寄せられ、より会社のことを理解しようと努めます。相手のことが理解できていると、アピールポイントも相手に適した内容に絞れるため精度も高まります。第一印象だけで判断してしまうことも防げます。

いくら第一印象がよくてもそれだけで判断せず、相手を理解することに努めることで、相手の化けの皮が剥がれていくこともあります。「理解してから、理解される」。採用したいと思う人材こそ、この原則を大切にしてください。