人事コラム

第128回 会社見学や工場見学で志望度を高めるのは不可能。

はりまっちのオフィスはとても静かです。社員は定時で帰るために黙々とPCに向かって仕事をしています。さて、こんな職場を就活生に見学させて、志望度が上がるでしょうか。私は不可能だと思っています。むしろ志望度を下げてしまいます。

はりまっちに限らず、人気企業や誰もが憧れるお洒落なオフィスでない限り、出会いの初期段階でいきなり職場見学や工場見学をさせて、志望度を高めるのはほぼ不可能です。志望度が高くない会社の、何の特色もない職場風景を見せられても、何も響きません。はりまっちのオフィスも普通中の普通です。

それでも、はりまっちには毎年大勢の学生が「入社したい」と言ってくれます。そのほとんどが、はりまっち主催のイベントでスタッフとコミュニケーションを取ったり、イベント運営をしている姿を見たりしたことがきっかけで興味を持ってくれます。その後もご飯に行ったり、LINEで連絡を取り合ったりして、関係性が深まった頃に、「毎日こんなことしてるわけちゃうで。普段は黙々と仕事してんで。一回職場見に来る?」と伝え、職場を見学してもらいます。

現実を隠して入社しても、そのギャップで辞める可能性があるからです。でもそれを見せるのは志望度が高まった後です。最近は動画を作成する企業が増えてきましたが、この動画でも出会いの初期に見せる動画と、志望度が高まった状態で見せる動画では、内容をガラッと変えなければいけません。

よくある失敗動画は、BtoBのモノづくり企業で、工場や鉄加工をしている作業風景動画を、合説や説明会など出会いの初期段階で見せてしまっているケースです。まだ良く知らない会社のこのような動画を見て「ぜひこの会社で働きたい!」と思うでしょうか。それよりも前に、会社のビジョン、競争優位性、人事担当者の人柄、会社の人間関係、他社にはない福利厚生、自社製品はどのように社会に役立っているのかなど、会社のウリをPRすることが大切です。

その後も、単純接触の法則に従いタッチポイントを増やし、志望度を高めきった後に仕事風景の動画を見せたり、工場見学をさせたりしてください。すると「この鉄加工技術が、他社にはできない技術で、私たちの生活を支えているのか。私も仲間になりたい」と初期の頃とは感じ方が変わってきます。職場見学、工場見学は最後の最後です。