人事コラム

第129回 入社理由は必要。志望理由は不要。

「リクルートに入りたいヤツではなく、リクルートとして採りたいヤツを採れ」。これはリクルートの創業者江副氏が唱えたリクルートの採用8箇条の第2条です。採用活動とは、自社に入りたい人材の中から選ぶのではなく、自社に来て欲しい人材を口説くことです。つまり志望動機なんて聞く必要が無いわけです。就活開始前から貴社が第一志望という学生はいません。

就活を始めてから、就活ナビや合説で見つけた複数の会社の中から自分に一番合いそうな会社を絞っていく学生がほとんどです。その状態で志望動機を聞かれても学生は困惑し、「志望動機が書けない」という理由で途中離脱をしてしまうのです。志望動機を聞いたせいで、本当は採用すべき人材を逃してしまう可能性すらあるのです。

採用8箇条の2条以降は以下のように続きます。

3.熱くリクルートについて語れ
4.本音の仕事観を語れ
5.入社動機はドラマチックに語れ
6.自分一人ではなく周囲を巻き込め
7.大胆に口説け
8.採用は営業だ

「自社が欲しい人材に出会ったら、後は全力で口説き落とす」という採用の本質がこの8箇条には詰まっています。相手の志望度なんて関係ないのです。ただし、志望理由は不要でも入社理由は必要です。入社理由が自分の言葉で語れる状態でないと内定辞退の確率が高まります。親や教授に「なんでその会社に行くの?」と聞かれたときに、自分の言葉で語ることができないと、反対されたり、「本当に自分はこの会社でいいのか?」と不安になるからです。つまり、自社が欲しい人材の入社理由を選考過程で育てていくことこそが採用活動の肝です。

ちなみに第1条は、「自分より優秀な奴を採用しろ」です。時代が変化しても、リクルートの採用8箇条は普遍的です。ぜひ一度この8箇条を一つひとつ抽象化してその本質を理解し、自社の採用活動へ転用してみてください。