人事コラム

第46回 報連相がないと嘆く前に社内散歩を。

ビジネス雑誌「プレジデント」に「どこが違う?仕事ができる人の会話とバカのムダ話」 という特集が12月号に組まれていました。 偉くなる人は忙しくても「社内散歩」をする。バカな人は「雑談はムダ」だと思っている。と書かれている一文に目が留まりました。

社内散歩をすることで、社内の様々な情報が集まってきて、そこから新しい企画が生まれたり、社内の不満を吸い上げることができたりするなど、その効果は大きいそうです。仕事ができる人は、どれだけ忙しくても、しっかり社内散歩のための時間は確保するそうです。社内の各フロアをぶらぶらと歩き回り、すれ違う人をつかまえて、「最近どう?」と気軽に声をかける。そうすることで、今の取り組んでいる仕事やプライベートのことを、結構話してくれるそうです。

確かに私も「わざわざ役員室や部長席までいって相談や報告をするほどでもない」話題でも、「散歩に来たときなら」と気さくに話せますね。社内散歩のおかげで、自然と自らのところに情報が集まるようになり、「報連相をしろ」と細かく言わなくてもよくなります。

また、雑誌「AERA」の2月3日号には、便利で効率的なITが、逆に時間をむしり取っているのではと指摘していました。隣の席の社員にメールで連絡をする、「CC」にメールを送るだけで報告した気になっているなど、face to faceのコミュニケーションの減少によるデメリットが書かれており、また、ITを断食し業績が向上した企業の取り組みも紹介されていました。

あるIT企業の経営者は、PCの使用を一時的に禁止したことで、営業訪問件数は6倍になり売上も3倍増になり、家具の「アイリスオーヤマ」もPCを机から撤去し、社内メールを原則禁止にし、コミュニケーションを増やしたことで業績が伸びたそうです。

私たちも日々企業様を訪問させていただいたり、取材をさせていただきますが、業績が伸びている会社ほど社内が活発でよくコミュニケーションがとれているなと感じます。業績の良い会社の取材は、若手社員の方を取材しているとフラーっと直属の上司がやってこられて若手社員の肩を揉んだり、写真の撮影では協力的な社員が多かったり、笑顔を引き出さなくても自然と笑顔の写真が撮れたりします。

最近の若手は報連相ができていないと言われますが、報連相がし易い雰囲気を作るのも大切なことですね。

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第47回 “外見がイマイチ”なのにモテる人は、十中八九マメな人。

今年は、私たちが主催する就活イベント(合説や就活勉強会)の 無断欠席がほとんどありません。昨年は予約者の半分が無断欠席というイベントもあり、私たちも大変悩まされました。しかし、この結果をもって「今年の学生は真面目だ、優秀だ」というのは、少し短絡的なような気がします。他に原因は無いのか改めて考えてみると 実はとても原始的な方法が功を奏しているのかもしれないと気付きました。

それは、前日の電話確認です。私たちは今期からイベントの予約者に対し、イベント前日に予約者に電話で出欠の確認をすることにしました。電話で話すことは、「明日大丈夫ですか?」 「場所は大丈夫ですか?」「気になることはないですか?」「13時から予約開始なので」「お会いできることを楽しみにしています」「気をつけて来てくださいね」など基本的なことばかりですが、この一手間が学生は嬉しいそうなんです。イベント終了後のアンケートでも、この前日電話が嬉しいという意見が毎回あります。

Web上でのやりとりが主流な今だからこそ、こういった原始的な方法が逆に学生は新鮮に感じるのかもしれません。日々大量に送られてくるメールに目を通しきれず、せっかくの案内も埋没してしまう可能性があります。無断欠席にお悩みの企業様はぜひ前日の電話確認を試してみてください。

「なんで学生のためにそこまでしないといけないんだ。そんなことをしてまで来てもらわんでいい。そんなことをしなくても来てくれた学生の中から選びたい」という企業様のお気持ちもよく分かります。しかし、これらは無断欠席を減らすためだけでなく“前日の電話が無くても来てくれる学生”に対しても、「この会社はわざわざ電話をくれる丁寧な会社だ」という印象を持ってもらえて、志望度が高まる可能性があります。

内定を出した学生が、他の企業からも内定をもらっていて決断を悩んでいた場合、そういう一手間が原因で選んでいただけることもあります。“外見はイマイチ”なのにモテる人がいます。その人は十中八九マメな人です。

新卒採用においても、手間と時間をかけた誠意と採用成功は比例しています。手間と時間をかけることは、決して学生に媚びることではなく自社が欲しい人材を採用するための自然な行動です。採用した人材が大活躍してくれれば、この一手間は安いもんです。

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第48回 採用と教育はセットですが、採用の方がより重要。

4月のコラムは毎年新入社員ネタになってしまいますね。ダイネングループも今期8名の新卒が入社しました。また、「はりまっち」独自でも新たに4名を採用しました。一昨年も書きましたが、新卒採用をしなかった4月1日はただの4月1日ですが、新卒が入ってくる 4月1日は特別な日になります。組織活性化において、新卒採用の効果は計り知れません。「はりまっち」も毎年継続して新卒を採用できる組織になりたいですね。

さて、採用・入社の後は教育です。良い人材を宝の持ち腐れにしないためにも教育は大切です。良い人材を採用し、良い教育をして、活躍してもらい、業績を伸ばす。このサイクルを回していけば、組織は成長し続けると思います。

と、言うのは簡単ですが、実際そう簡単ではありません。特に「良い人材を採用し」の部分です。ここを間違えると、せっかくの「良い教育」が無駄になってしまう可能性があります。この採用の重要性を、ある方は野村克也さんの息子カツノリさんと古田敦也さんを事例に説明します。

野村克也さんがヤクルト・スワローズの監督をしていたときの話です。当時ヤクルトの正捕手は古田さんで、控え捕手が監督の息子カツノリさんでした。カツノリさんは幼い頃から野村監督に手塩にかけて熱心に育てられました。そのお陰でプロの世界に入りましたが、結局古田さんには勝てませんでした。

この例をあげて、「才能の無いカツノリに教育しても意味が無い。古田のような才能のある奴を採用して教育するからこそ意味がある。だから古田を採用するために、採用活動には最も時間をかけ慎重にやらないと、高い教育費用が無駄になる」という主張をされています。

これは極端な例かもしれませんし、野村監督のカツノリさんへの教育が良くなかった可能性もありますが、それでも納得できる部分もあります。確かに高額な良い研修を用意しても、それを活かせない人材を採用しては意味がありませんから。

しかし、その採用が難しいからやっかいです。面接では良いと思った人材も、働いてみるとイメージと違うこともあります。選考では形式張った面接だけではなく、“素“の部分を見る工夫も必要です。「はりまっち」でも2016年卒に向けて、極力”素”が見える就職イベントを企画しています。また企画が出来次第、随時ご案内させていただきます。

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第49回 残業代ゼロ法案に賛否が別れる

沢村一樹主演のテレビドラマ「ブラック・プレジデント」がリアルだと社内で話題になっています。主役であるブラック企業の社長が、社員に対する要求が強すぎて、従業員はサービス残業を繰り返すことになり会社は訴えられました。

社長は弁護士に対して「チンタラ仕事をしている奴が金を稼ぐのはおかしい!」「必ずしも労働時間と生産性は比例しない」「人間の成長にはある程度の負荷は必要だ」 「あなたのような弁護士がブラック企業から若者を守るとか言って、日本の労働市場の流動化を阻害し、日本の競争力を弱めている」 「社員を甘やかして競争に負けて会社が潰れたら社員全員が失業者だ」と反論します。

中には過激な発言もありますが、すべてが間違っているとも思えない内容です。確かに、同じ仕事でも1時間で終了する人と、3時間かかる人もいます。1時間で終了する人は残業が発生せず残業代がゼロで、3時間かかってしまう人が2時間分の残業代が出て多く稼ぐ仕組みは矛盾を感じます。

また、今企業は世界と戦わなければいけない時代です。国際競争に勝つためには社員自身が成長しないといけませんが、楽な仕事をしていては成長のスピードが遅くなります。社長の言うように、人が成長するためには、ある程度の負荷は必要になってきます。

「はりまっち便りNo.39」でも書きましたがブラック企業叩きが行き過ぎると、ベンチャー企業が育たなくなり日本の企業の競争力が弱まってしまう可能性があります。

そして最近、安倍総理が議長を務める産業競争力会議で、報酬を労働時間に対してではなく、労働の「成果」に対して払うことを可能にする制度改正を検討し始めました。第一次安倍政権下で議論されて立ち消えとなった「ホワイトカラー・エグゼンプション」の拡大版とも言われています。ブラック企業叩きが盛んなこの時代に、この法案の議論は支持率低下のリスクもあります。

既に一部の新聞や評論家は「長時間労働を助長する」などと、繰り返し批判をしていますし、ネットでも軽い炎上がおきています。それでもこの法案を議論するのは、日本の国際競争力を高めたいという安部総理の強い思いがあるからでしょう。生産性を高め、残業をしなくても成果を出せる仕組みを作り、みんなが幸せになれるようになりたいですね。

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第50回 採用競争力の弱さが経営難に直結する。

格安航空会社(LCC)のピーチとバニラで、機長不足による欠航が相次ぎました。バニラの石井社長は「(会社発足が昨年11月と)後発組で実績が少なく、採用競争力が弱かった。経営として重く受け止めている。機長の確保や養成をしっかりやっていく」と説明しました。また、居酒屋チェーン「和民」や牛丼チェーンの「すき家」でも、人材不足が理由で閉鎖する店舗が相次ぎました。

このように最近、採用競争力の弱さが原因で経営が悪化するケースが増えてきています。もっとひどいケースでは、「人手不足」が原因で倒産をしてしまった建設業者もあるそうです。

今年4月の有効求人倍率は、1.08倍と17ヶ月連続で上昇し2006年7月と同水準に達しました。リーマン・ショック直後は、人を減らすことに注力していた企業が、現在は人を増やすことに躍起になっています。特に労働集約型産業では、社員の数がそのまま業績拡大につながるため人材の奪い合いが行われています。

そこで各社給与アップや待遇改善などの施策を相次いで発表しています。「スターバックスコーヒージャパン」は800名、「ユニクロ」では1万6,000名の非正規社員を正社員にすると発表しました。今後人材獲得競争の激化を予想し、先手を打ったカタチです。人材獲得競争が激しくなると待遇が改善され給与水準も上がってきます。

物価先行型のインフレに賃金も追随することになり、デフレ脱却の兆しが見えてきます。これは、マクロな視点では嬉しいことですが、ミクロで見れば採用が難しくなり企業業績悪化に陥るリスクがあります。今後、採用強者と採用弱者とでは、経営に大きく差が開く可能性もあります。

このような状況下で、採用力を上げるために、採用予算を増やしたり、給与アップや待遇を改善、エース社員をリクルーターに抜擢、トップが直接口説くなどの採用活動を見直す企業も増えています。また、採用だけでなく既存社員の定着率アップに向けて、産休育休制度を強化したり、親睦会の回数を増やしたり、残業ゼロ、有給休暇の取得強化など、社員の働きやすさを見直す企業も増えてきています。

採用力と定着率をWアップさせ、この時期に労働力を確保しておくことは経営強化に大きくつながります。採用力=企業力。ぜひ今こそ企業力アップのために採用力アップの見直しをしてみてください。はりまっちにもお気軽にご相談ください。