第2回 “働きやすい職場“より”働きがいのある職場”

転職希望者の方と面談していると、「働きやすい会社を紹介してください」と言われる事がよくあります。働きやすい会社も、もちろん大切ですが、働きやすさとは一歩間違えると、 甘い、ぬるい、馴れ合い、など、単なる居心地の良い職場になってしまう可能性があります。私は個人的には、“働きやすさ”より“働きがい”が大切だと思います。

働きがいとは、自分の仕事を誇りに思えたり、成長している自分を感じれたり、目標に向かって突き進んでいたり、目標を達成した時の達成感だったり。そんな感覚です。

話は変わりますが、イチロー選手が、2004年にメジャー新記録のシーズン258安打を達成した後にこんな事を言いました。「楽しんでやれ、とよく言われますが、僕にはその意味がわかりません。楽しむというのは、決して笑顔で野球をやることではなくて、充実感を持ってやることだと解釈してやってきました。ここに辿り着くまでの事を、いわゆる、「楽しんでやる」というような表現は、とてもできません。」と。会社での働きがいとは、この感覚に近いのかもしれません。

“福利厚生が充実している“ ”休みが取りやすい“ ”残業が少ない“ ”みんな仲が良く笑いが絶えない職場“など、とっても大切ですが、それに加えて、”自分が頑張ったことが認められる“ ”自分が会社を支えている“ ”自分の仕事に誇りを持っている“ ”憧れの先輩のようにバリバリ働きたい“ ”自社のサービスを将来はこんな風に育てたい“など、こんな風に、自分の存在意義を感じたり、仕事の意義を感じたり、将来の夢や目標を持てたり。これらの事を思える社員が多い組織は、ただ、働きやすい職場=居心地の良い職場を提供しているだけの会社よりは強い組織だと思いますし、社員も活き活きと働けるのだと思います。