第4回 これから「働き方」はどうなるのか

人材派遣の先駆者パソナの創業者南部さんと、経済学者の竹中さんの共書。二人が一貫して言われているのは、働き方の多様化を認め、受け入れる社会作りの必要性。派遣もその一種であり、自ら派遣という働き方を選択している方も多くいる事実などを示し、今の派遣は「悪」という世論に疑問を呈しています。

南部さんは、子供の頃、親に「テストで100点を取る子も徒競走で1番になるのも、絵やピアノが上手なのも、それぞれ素晴らしい才能」と教えられ、価値観の多様化を幼い頃から受け入れていました。また、大学教育も「卒業=就職」という図式のもと、就職支援に力を入れるだけでなく、もっと多様な働き方があることも教育するべきだと主張しています。

南部さんは、人材業界を牽引してきた経験から、働く人の気持ちにたった考え方で語られ、それを竹中さんが経済的視点で数値を根拠に南部さんの考えの妥当性を示されていて、とても分かりやすく現在の労働問題を解説してくれる納得性の高い一冊です。