企業変革のプロセスを、人事部にフォーカスし、物語風に仕上げているとても読みやすい一冊です。カウンセリング手法や、メンターの有効性等、即、使えそうな内容が多くありました。主人公は、会社変革の為、机上の人事を脱却し、全国の現場まで飛び回り、徹底的に現場社員へのヒアリングを行いました。そして、現場の意見を反芻した人材育成プログラムを計画し実行します。
現場社員も、当初は人事部のヒアリングということで警戒していましたが、主人公の効果的なカウンセリング手法により、やがて人事部に心を開き、最終的には、人事部と現場社員の共同人材育成プロジェクトを開始する事になりました。
人事部が旧来の枠組みや制約を越えて、新たな行動に踏み出すには勇気やエネルギーがいります。しかし、本書の主人公の型破りな行動を見ていると、人事の仕事の面白さや醍醐味が伝わってきて、勇気をもらえます。人事の方も経営者の方にもお勧めの一冊です。