第26回 競争と協調が共存している組織は強靭です。

楽天の代表三木谷浩史氏は、「楽天の社員同士はライバルであり、同時にかけがえのない仲間です。矛盾しているように見えるかもしれません。でも、どんな世界にも競争と協調は共存しているものなのです。協調ばかりでは緊張感が失われます。競争ばかりではチームワークが乱されます。協調と競争を共存させ、リーダーはこれを上手にコントロールしなければなりません」と言っています。
競争と協調の共存って、韻を踏んだラップみたいですが、言い得て妙ですね。

今をときめくAKB48は、まさにこの競争と協調を共存させて大成功を収めたグループですね。ファンによる総選挙を行い、選抜メンバーやセンターポジションを競います。
しかし、そこでギスギスしてしまえば、あれだけの大ヒット曲を連発することなんてできないでしょう。激しい競争をしたメンバー同士が一つになり、最高の笑顔でファンの心を掴み、ヒット曲を歌い続けるのです。
負けたメンバーは悔しい思いをしつつも、投票結果は真摯に受け止め、今の役割をまっとうし、ライバルをアシストする。勝ったメンバーもずっとそのポジションにいれるのではなく、毎回入れ替え選挙があり、いつ今の地位から転落するかわからない状況でうかうかしていられませんから、更に頑張ることになります。

今年の新入社員や就職活動まっただ中の学生は、徒競走で順位をつけなかったゆとり世代です。
彼らは協調性に関しては得意分野ですから、いかに競争の大切さを教えるかがポイントです。研修で「AKB48はなぜ成功したのか?」というお題でレポートを提出させるのも面白いかもしれません。
他にも、チーム対抗で競争させるゲーム形式の研修もお勧めです。この場合は、チーム内で役割を決めて、それぞれの役割をまっとうするというものよりも、チーム内の個々が競い合うことで結果的にチームに貢献するといったゲームをお勧めします。首位打者争いを同じチームの選手同士でやっているようなイメージです。
これらの研修は、逆に競争が染み付き、社内がギスギスしている組織にも有効だと思います。