第28回 理学部、理工学部、農学部は優秀な学生が眠っています。

播磨は機電メーカーが多く、求める新卒学生も機電系学部に集中します。多少人物面やコミュニケーション能力は目を瞑っても、機電系なら採用している企業もあります。逆に、理系であってもそれ以外の学部は人気がありません。
私が今回ご提案したいのは、理工系学部や農学部の学生は、優秀な学生を採用しやすいということです。理工系学部や農学部の学生も、理系として機電系の学生と同じ勉強をして試験を受けています。つまり、数学や理科が得意科目で、論理的思考能力の基礎ができています。また1、2年生の授業はどの学部もそれほど大きくは変わりません。

ある企業の例ですが、その企業は機械メーカーで、機電系の学生に絞って採用活動をしていました。無事2名の内定を出しましたが、9月に1名辞退されてしまいました。慌てて再募集をするも、機電系の学生はほぼ内定が決まっており、採用を諦めかけていました。
ダメ元で10月にある合同説明会に参加した際、理工学部の学生がブースに訪れ、感じも良くコミュニケーションも問題なかったので、社長を説得し思い切って選考に進ませ、無事採用までこぎつけました。
入社当初は、やはりもう一人の機電系卒業者のほうが仕事の理解は早かったのですが、人当たりの良い性格と元々の地頭の良さ、理解力の早さなどで、3年後には機電系卒業者に比べて大きく活躍し、周りの評価もとても高いものだったようです。

このように、理工系学部や農学部の学生のほうが機電系学生より活躍することもあります。 また、機電系の学生より遙かに採用難易度は低く、優秀な人材を採用しやすいのです。
私も就活イベントなどで、理工系の学生と話しますが「こんな優秀な子が残っているの?」と毎年疑ってしまいます。理工系の優秀な学生は後半戦でも採用可能です。ぜひ機電の枠に囚われず、視野を広げて見てださい。
兵庫県では、私大トップの偏差値である関西学院大学には、機電系の学部がなく理工学部のみですが、優秀な学生が揃っています。甲南大学も同様です。兵庫県立大学には、工学部と理学部があり、企業の人気は工学部ですが、偏差値は理学部のほうが高いのです。
まだ機電系採用を継続中の企業様は、ぜひ理工系、農学系にも注目してください。