第35回 入社の理由は、「面接でありのままの自分が出せたから」。

先日、はりまっちの新卒サイト掲載にあたって、ある食品会社の1年目の社員の方にインタビューを行いました。
入社した理由を聞くと、「この会社だけ面接で自分が出せたんです。他の会社の面接では、事前に暗記した“自己PR”、“志望動機”、“学生時代に頑張ったこと”などを記憶をたどりながら話すだけでした。面接官もそれに対して儀式的に淡々と進めていきました。当社の面接でも、記憶を定着させようと直前まで暗記を繰り返していました。意気込んで挑んだ面接でしたが、実際は、まったく面接らしくなく、雑談のような場だったんです。拍子抜けして、一気に肩の力が抜けました。暗記してきたものは全部捨てて、背伸びせずありのままを話しました。結果はどうかわからなかったけど、面接が終わった後、すごく気持ちよかったのを覚えています。すると、数日後内定の連絡があり、ここしかないと思い入社を決めました」と活き活きとした表情で話されていました。
学歴も高く、感じも良い方だったので、他社からも内定が出ていたことでしょう。その中で同社を選んだ理由は、「背伸びした自分じゃなくて、ありのままの自分を評価してくれたから」でした。

今の就活生は、「ありのままの自分なんてアピールできることなんて何もない。多少背伸びしてでもアピールしないといけない」と思っています。自分を良く見せようと必死になり、疲れています。
また、背伸びした自分を評価されることにもむなしさを感じています。そんな中、ありのままの自分の話を一生懸命聞いてくれて、ありのままの自分でいいんだと自信を与えてくれる会社があれば、多くの学生は「ここで働きたい」と思うでしょう。何度も繰り返し言って恐縮ですが、面接は学生から選ばれる場でもあります。

選ばれるために、面接中に自社をさりげなくPRすることも必要ですが、それ以上に大切なことは、学生に対して「自分を出せた」「自分のありのままを認めてくれた」と思ってもらうことです。
面接途中で「この学生は採りたい!」と思えば、ありのままを出してもらえるよう、リラックスした雰囲気を作り、優しい表情で語り、「あなたの話に興味がある」という姿勢で学生の話に真剣に耳を傾けてあげてください。