第36回 就活エリートの迷走

高学歴で、面接受けや筆記テストの点数は抜群。しかし、入社後活躍せず3年待たずに辞めていく。
こんな就活エリートの迷走を分析し、原因追究をし、解決法を提案する一冊です。
解決法として挙げているものの一つに「採用活動時期の分散化」があります。

これは、企業が同じ時期にヨーイドンで採用活動をするのではなく、ユニクロが大学1年生から内定を与えているような、採用時期の分散を提唱しています。
この提案は、先月政府が “就職活動開始時期は4月以降へ”と経団連に要請した内容と真逆です。

個人的には著者が唱える採用時期の分散に賛成です。
4月以降の採用活動となると、ますます企業研究の時間が減り、知名度のある企業に応募が殺到したり、会社説明会も他社とのバッティングなどで学生が集まらないなど、中小企業はより苦戦が強いられることは確実です。
また、就活の時期を遅らせても、必ずしも学業に専念するとは思えません。

就活を通じて、社会人とのコミュニケーションに慣れ、マナーや敬語を身に着け、日経新聞を読んで社会を知り、競争意識を持つ。これらは、学問と同等に大切なことだと思います。
この時期が短くなるのは寂しく感じます。