第36回 目標の決め方で業績が左右される。

目標を決めるとき、目標の決め方にタイプが分かれます。
たとえば1億円の売上を目指したいとき。到底無理な2億円を目標としてやってみて、結果1億円売れたらOKという考えの人と、必死で頑張れば何とか達成できそうな、本来目指すべき1億円をそのまま目標にする人とに分かれます。結果は同じ売上1億円ですが、意味はまったく違ってきます。

1億円を狙って1億円が達成できたときは、達成感、充実感、仕事へのやりがい、成功体験、自信、来期への弾みがつくなど、たくさんのプラスの感情、効果が得られます。
また、目標を追いかけている過程でも、「後もうちょっと頑張れば達成できそうだ!」ということがモチベーションになって、しんどいときでも、もうひと踏ん張りができます。この、達成できるかできないかギリギリのラインに目標を設定する人はセンスがあると思います。

逆に、到底無理な目標を立てて、結果オーライタイプの目標設定では、端から目標があってないようなものになり、目標達成意欲があがらず、社内がどんよりとした空気になります。
また、結果1億円売り上げたとしても、達成率は50%で、「目標を達成できなかった」という負の感情が蔓延し、達成感もなく、成功体験も積めず、自信を無くしたまま来期に突入しないといけません。
この目標設定ですと、毎年毎年未達成が続くので、仕事に対する充実感もなく、やりがいも感じることができないまま、モチベーションの低い社員が増えて、結果オーライで目指したい数字すら達成できない危険性もあります。
とくに労働集約型産業や人材が資本の会社では、この目標設定は経営において最も大切なもののひとつだと思います。

また、個人レベルの目標設定もタイプが分かれます。
少し低めの目標を設定して、それを大きく超える達成率を目指したいタイプと、少し高めの目標を設定して、それを達成することにやりがいを感じるタイプです。
基本は前期の実績ベースに振り分けますが、微調整で、どちらのタイプかしっかり見極めて振り分けることができれば、個々がモチベーション高く働き、結果、会社として大きな成果を得ることができると思います。