著者は、自称大学ジャーナリストの石渡氏。前作「就活のバカヤロー」の続編です。
前作と同様、大学や学生、企業、就活ビジネスを小馬鹿にした上から目線の語り口で、読んでいてあまり気持ちの良いものではありません。しかし、しっかり取材はしているようで、現在の学生の傾向、大学の取り組み、採用担当者の本音などが理解できます。
「間違った情報で何でもかんでもブラック企業と疑う学生」「漢字も読めない学生に頭を抱える企業」「就職率の数字に一喜一憂する大学関係者」「ニート・フリーターだけには、なってくれるなよと願う親」「総理が出てきてまで実行した就活後ろ倒しで、本当に学生は勉強をするのか」など、現在の就活の課題を指摘しています。
ただし、解決策は書かれていませんので、この本で現状の課題を知り「じゃあどうすればいいのか」は自分たちで考えていかないといけません。多少大げさに書かれているところもありますが、まともな企業でもスグに「ブラック企業」と言う学生の風潮や、誤字脱字だらけの履歴書などは事実に近いです。
昔から、日本の新卒一括採用は何かと批判の対象になりますが確かに多少の問題はあるにせよ、トータルに考えると日本ではこの方法が一番効率的で、企業・学生双方にとって理想的な形ではないかと私は思います。