第56回 同じような格好をした学生を1時間の面接で見抜くのは難しい。

大学を訪問すると、キャンパス内には、個性豊かな大学生で溢れ返っています。金髪、ロン毛、パーマ、ピアスなど、若者が個性の発表会をしています。

それが、就活になると、みな黒かグレーのリクルートスーツに身をまとい、男性は黒髪短髪、女性も黒髪で、前髪を流してピンでとめます。ほとんどの学生が同じ格好をするため一人ひとりの学生の良さや素の部分を見抜くには高度なスキルが必要になります。私服で面接に来てくれたほうが、遥かに選びやすいでしょう。

だからといって「スーツ禁止」にしたとしても、髪は黒いままで、ピアスは外し、私服の中でも最もフォーマルな格好をしてくるでしょう。また、一日に二社以上の会社を訪問する際は自社だけが私服でも、他はスーツ着用であれば、迷惑をかけてしまいます。素を見るために「スーツ禁止」「普段着でお越しください」は昔から試している手法ですが、なかなか浸透していないようです。

ピーター・ドラッカーは、「正しい人事のために4時間かけなければあとで400時間とられる」と言っています。そう考えると、みな同じような格好と立ち居振る舞いをする学生を、1時間程度の面接で見抜くことは非常にリスクの高いことと言えます。

また、ドラッカーは、「人を見分ける力に自信がある人ほど間違った人事を行う。人を見分けるなんてことは、限りある身の人間に与えられた力ではない」とも言っています。「俺は学生が数秒しゃべっただけで、できる奴かどうかくらいわかる」と豪語する人ほど採用の失敗確率は高く、「私なんかに面接なんてできるのかな。心配だ」「人事歴20年だけど、採用だけは本当に難しい」という人事ほど、面接以外の様々な選考の手法を取り入れて、失敗の確率を下げる努力をしています。

以下、ユニークな採用をしている企業の取り組みをご紹介します。

・食事面接(焼き肉・飲み会・魚料理)
・合宿面接(一泊二日の泊まり込みで、様々なゲームを行う)
・エイプリルフールにどれだけ面白い嘘がつけるかで合否を決める
・部活動において補欠だった人を優先的に選考をする
・トイレ掃除面接(一番キレイにトイレ掃除した人を合格させる)
など。参考にしてみてください。

はりまっちも、5月に「カレーをつくる合説」をやります。ご興味があれば、ご連絡お待ちしています。