1月16日にフジテレビでドラマ化もされた職業小説。主人公は、神戸の老舗百貨店の外商部で富裕層相手に営業をかける女性社員。販売員として活躍し充実した日々を送っていた矢先、突然、「外商部」への異動の事例が。そこは、完全な男社会。
外商は百貨店の売上の3割以上を占め、外商部の男性社員はプライドも高く、主人公にも辛く当たってきたり、顧客である上流階級の人々との価値観の違いに困惑する日々を送ります。しかし、主人公はそれでも外商部で結果を出そうと奮闘します。
多くの人がその存在を知ってはいるものの、実際はほとんど知られていない百貨店の“外商”の世界。店舗が華やかな表舞台だとすれば、デパートの屋台骨なのが外商部。デパート内での対抗意識もすさまじく、ノルマを賭けたまさに生き馬の目を抜く戦いが繰り広げられます。
突然の異動の真意は何か?たたき上げの主人公は、周囲がすべて男性で完全な男社会という、慣れない外商の世界で生き残れるのか?どこか華やかで、だけど、現代の日本を映し出す、今までにない新しい職業小説です。
女性社員の働き方や扱い方を知るうえでも参考になりますし、不本意な異動でも、「置かれた場所で咲く」ことの大切さも教えてくれる一冊です。