「発注は多いんですが、人がいなくて、断っている状況なんです」「今期は営業マンを増やして、業績が●億円伸びました」最近、お客様からこのようなお話をよくお伺いします。前者のお客様は、人がいないことにより、売上を大きく損失しています。早急に人を増やさないと、更に売上が落ち込み、最悪、人材不足倒産という可能性もあります。逆に後者のお客様は、人員を増やすことで、業績アップに成功しました。
市場があり、人さえいれば業績が上がることが明確なのに、採用を躊躇する企業は、人を増やすことで発生する固定費のアップにしか目がいっていません。しかし、採用とは、固定費を増やすためにするのではなく、業績を伸ばすため、利益をあげるためにするものです。固定費が増えるから採用を控えようというのは本末転倒です。人を増やさないことによって発生する受注の損失額が、人を増やしたときの固定費を上回るなら、迷わずゴーです。
そのために常に市場調査、マーケティング、競合動向はリサーチしておく必要があります。また、採用は社員が辞めたときに行うだけだと、企業が現状より大きくなることはありませんし、常に受け身で後手後手になり、結局妥協して採用をしたり、転職市場が芳しくない時期にやらざるを得なくなったりし、戦略的な採用もできません。
採用とは、会社のビジョンに沿って、現在の業績にかかわらず、常に将来を見越してやるべきです。「3年後、会社はどんな状態でいたいか(売上、市場シェア、業界内でのポジションなど)」「どんな会社が理想か」など、目指す姿と現状を比べ、このビジョンを達成するために、どんな人材がいつまでに何名いるか、などを決めて行うのが理想です。困ったときに慌てて行う採用を繰り返している会社との企業力は雲泥の差です。
結局、企業は人です。会社の将来は、自社のビジョン達成に向けて推進力を持って働いてくれる人材を採用できるかにかかっています。常にそういった人材には、網を張っておく必要があります。リーマンショック後に採用枠を拡大し、大手企業をリストラされた優秀な人材を多く獲得した企業は、その後業績が向上し、株価が好転したというデータも経済誌に出ています。
採用で会社は変わる。採用が会社を変える。