経団連の指針である8月1日の選考開始を待たずに、はりまっちの登録学生から「●●社から内定をいただきました!」と嬉しい報告が続々ときています。大手就職サイトの調査でも、8月1日を遵守する企業が19%と、80%以上の企業がそれまでに選考や内定出しを行っています。
そこで「なんや、例年とあんまり変わらへんスケジュールなんやったら、8月以降の内定辞退も予想より少ないんちゃうか」と考えがちですが、この数字には注意が必要です。この19%の企業の採用人数に着目すると、指針を守らない80%の企業の採用人数とほぼ変わらないことが見えてきます。100名単位で採用する金融系や上場企業が8月1日より開始し、それを待っている学生がかなりの数控えているということです。
既に内定出しを終えた企業様も内定者の動向は神経質過ぎるくらい注意し、内定辞退を見越した次の動きの準備をする必要があります。一方で、当初は大手企業を8月1日から受験しようとしていた学生も「もう地元の素敵な会社から内定がもらえたので、これで終わろうと思います」という学生が多いのも事実です。それは、素晴らしい内定者フォローをしていることが要因ではなく、内定を出す前に動機形成をしっかりと行い、志望意欲をMAXまで高めた状態で内定を出しているからです。
内定を出すまでは企業に主導権があり、出してしまうと学生に主導権が移ります。主導権を渡してしまってからの勝負では分が悪くなります。勝負は内定を出す前です。では具体的にどうすればいいか。スグに取り組める例として、以下の3つをご紹介します。
①選考に合格し、次の選考日程を案内する際、ただ日時だけを伝えるのではなく、どこを評価して合格だったのかを伝えること。学生は自分が入りたい会社よりも、自分を必要としてくれている会社に入社したいと思っている人も多いものです。
②面接中に何回も名前を呼ぶこと。最終面接官には、面接前に必ず履歴書、ESを読み込んでもらうように依頼します。面接中に初めて読むのは絶対にNG!事前に名前を覚えてもらい、面接中は会話の中にどんどん学生の名前を入れてください。役職が高ければ高いほど、“名前を知ってくれている”ことに学生は感激します。
③最終面接前に採用担当者が会い、「私はぜひ●●さんと一緒に働きたいと思っています。次の最終面接ぜひ頑張ってくださいね」「最終面接までに不安なこととかありますか?」など、フォローを入れること。
小さなことですが、やるとやらないでは学生の志望度に大きな差がでます。ぜひ内定を出す前に志望意欲をMAXに高める工夫をしてください。