第70回 明石商業高校と長田高校に学ぶ。

第88回選抜高校野球大会(春の甲子園大会)出場校が出揃いました。兵庫県からは初出場2校が選出。2校とも公立高校で、1校は明石商業高校(以下、明商)です。

昔は野球では無名校でしたが近年は毎年上位に進出し、強豪校の仲間入りを果たした高校です。明商が生まれ変わったきっかけは、監督のリクルーティングです。明商の監督狭間善徳さんは、明石市が全国で初めて「野球指導経験者枠」として採用した方です。狭間監督は、あの名門、明徳義塾高校でコーチ経験があり、その際に名将馬淵監督から薫陶を受けました。そのイズムを明商に持ち込み、実力で甲子園出場を果たしました。一人の採用が組織を変えた好例ですね。

そしてもう1校は、兵庫県屈指の進学校で知られる長田高校です。長田高校には野球推薦はなく、野球部員も全員が難しい試験を経て入学を決めています。地元の頭の良い中学生が集まる高校の野球部が、夢の甲子園の切符を手にしました。長田高校の野球部を調べてみると、コンセプトには、「文武不岐~野球を学び、野球で学ぶ~」が掲げられています。

文武不岐とは、勉強と野球は一体。どちらも高い目標を掲げ、持てる力を出し切ろう!という意味だそうです。そして、特色として、①練習の効率化「短い練習時間でいかに成果を出すか」「基礎・基本の徹底」を念頭においた取り組み。②各種マニュアルによる技術、戦術の徹底。「攻撃のマニュアル」「走塁のマニュアル」などと打ち出しています。偏差値の高い野球部といった感じですね。

長田高校にも学ぶべきことがたくさんあります。採用担当のみなさんも、恐らく採用活動以外にも、多岐に渡る業務を抱えていることと思います。その限られた時間の中でいかに効率よく成果を出せるかが鍵になります。長田高校も少ない練習時間の中で知恵を絞り、創意工夫を重ね大きな成果を出しました。きっと私たちの業務にも、無駄な仕事、惰性で続けている仕事などがあるかもしれません。一度整理して「捨てる仕事リスト」を作りたいですね。

また、決して野球エリート校ではない長田高校が強豪校を差し置いて、甲子園に出場できました。私たちも、大手や人気企業が相手だとしても、求める人材をいかに自社に入社してもらうか、知恵を絞ればきっとできるはずです。