日本の新卒採用の仕組みやメリット、デメリットを、海外のそれと比較しながら分かりやすく、論理的に解説しています。ちなみに、タイトルと内容はほとんど関係ありません。
著者は雇用のカリスマと呼ばれる海老原嗣生さん。海老原さんらしく、データをふんだんに提示し、断言的な文章で書かれているので説得力があります。採用活動のハウツー本ではありませんが、採用に関わる人はぜひ読んでほしい一冊です。
結論は、新卒一括採用は、デメリットもあるがトータルではメリットのほうが大きいという主張です。新卒一括採用のおかげで日本の失業率が極めて低い事実や、日本の新卒採用は欧米と違い、職務を限定していないので「その仕事がなくなったから整理解雇」という論理が使いにくいことなど、納得のいく主張ばかりです。
日本型雇用も欧米型雇用も一長一短。光と影があり、全面否定ではなく、日本の良いところは認めて、欧米の良いところを取り入れる柔軟な考え方が求められますね。個人的な感想ではこの本を読んで、改めて日本に生まれて良かった。日本型雇用は絶対に壊したくないなと感じました。