第90回 採るべき人 採ってはいけない人

売り手市場のこの時代に、あえてこの本をご紹介します。学生優位の採用活動となると、採用目標数を達成するために、つい採用基準を下げたり、片目をつぶって採用ししたりしがちです。

しかしそうした場合、入社後の早期離職や、もっといえば「辞めてほしいのに居座られる」こともあり、大きな損害になりかねません。ドラッカーも、「正しい人事のために4時間をかけなければ、あとで400時間とられる」と言っています。

この本では、正しい人事をするための行動分析(アセスメント)についてかなり細かいところまで書いてくれています。たとえば、会社説明会や面接でこちら側が話しているとき、笑顔でうなづき、一生懸命メモしてくれる学生には好印象を持ちがちですが、それらが目立つ学生は、実際には真剣に話を聞いてなく、ただアピールしているだけの可能性もあるなど、行動分析に基づいた注意点を詳しく解説されています。

採用目標は大切ですが、基準を落としてまで目標にこだわり過ぎて失敗しないように、当書を参考に見抜く視点も大切にしてください。