第95回 「ビジネスマンの国語力」が身につく本

「話が具体的過ぎて、さっぱりわからなかった」。これは3月6日の合説で、ある企業の説明を聞き終えた学生の一言です。
この企業の担当者様は、とても優しく気配りのできる方で、学生に分かりやすく伝えるために、抽象的な話は避け、具体的に話そうとしてくださったのですが、それが裏目に出てしまいました。

「話が抽象的で分かりにくい」は、よく聞きますが、このケースでは逆でした。確かに、まだ興味を持っていない段階で、具体的な部品の名前や日々の仕事内容を聞かされても、話に付いていけず、余計分かりにくくなります。説明の上手な方は“具体と抽象”を見事に使い分けています。特に合説のような短時間で興味を惹きつけなければいけない場面では、抽象度を上げて説明し、魅力を伝えなければいけません。当書は、そんな抽象化思考を鍛えるのに最適な一冊です。

また、TV番組の「アメトーーク」も参考になります。同番組では、同じ趣味を持つ芸人同士がトークを繰り広げる回があり、その趣味に全く興味の無い人に対しても、とても分かりやすく伝えています。特に例え話は秀逸で、真似したいスキルです。これらを参考に、場面に応じて、“具体と抽象”を使い分けたプレゼンを心がけてみてください。