スターバックスやサイバーエージェントなど人事界で一目置かれている企業の事例や、人事の専門家の研究内容などが一冊にまとめられた良書です。全章参考になりますが、特にスターバックスの事例は、目から鱗が落ちました。
スターバックスには接客マニュアルがなく、スタッフが自発的にその場その場で考えて行動し、お客様に感動を与えています。それを実現させるために大切になってくるのが採用と育成です。採用では、スターバックスのビジョンや理念に共感できるかどうかを時間をかけてジャッジします。そして採用後は店舗と個人のビジョンのつながりを明確化する「ビジョニング」を行い、そのビジョンを実現するためのフィードバックを行います。このサイクルを回すことで、スタッフのエンゲージメント(組織との繋がり)が自然と高まり、マニュアルが無くても自発的に行動できるスタッフが育つそうです。まさに理想のカタチですね。
採用、育成はビジョンがあってこそです。逆にビジョンさえ共有できていれば、後の細かい行動は思い切って個人に権限委譲しても大きな問題は起きにくくなります。日々の行動に迷ったときもビジョンがあれば立ち返ることができ、その場で適切な判断ができるようになります。