給与の一律アップは、デキる社員のモチベーションを下げる。
360度評価は、上が委縮して組織が機能不全に陥る。
相対評価だと、頑張っている社員を評価できないこともある。
など、良かれと思って取り入れた人事評価制度が逆効果になっている例を取り上げ、正しい評価制度とは何かを教示してくれる一冊です。
著者は人事評価クラウドを提供する「あしたのチーム」の代表、高橋恭介氏。同社の宣伝本の要素は大きいですが、それを差し引いても学びや気付きの多い一冊で、一読の価値ありです。
人事評価で最もやりがちな失敗は、平等であって公平ではない評価です。たとえば、会社の業績が好調だからといって、結果を出している社員もそうでない社員も、平等に一律給与をアップさせてしまうと、結果を出している社員にとっては不公平な評価になってしまいます。
評価とは異なりますが、残業代はその極みです。効率的に仕事を片づけ時間内に結果を出す社員より、ダラダラと遅くまで働き、結果も出てない社員の方が稼げる残業代はその典型です。
公平であれば減給された社員も納得します。公平な制度をどう構築するのか、そのための知恵が詰まった良書です。