第126回 地方企業の集客の基本は、「2つの理由」と「ネタバレ」

「行く理由を2つつくれば、人は足を運ぶ」。地方遊園地「ひらかたパーク」をV字回復させた河西氏の言葉。この考えを軸に、「ひらかたパーク」は、様々な企画や仕掛けを行い、来場者数は年間100万人を突破し、全国3位の集客数を誇る遊園地に成長しました。
キングコングの西野さんも、集客を成功させるには、「お客様の1日をコーディネートしろ」と言っています。

イベントを開催する際、イベントばかりをPRするのではなく、「イベント会場の周辺でも、こんなお店や娯楽施設があるから、ぜひおいでね」というように、参加する理由を複数提案してあげると、お客様は行動しやすくなる、という理論です。

地方の会社やアクセスの悪い会社にとって、この考え方は大変重要で、インターンや会社説明会に参加してもらうには、理由を複数つくる必要があります。

たとえば会社周辺の観光地や地元食材を使ったカフェなどを若手社員と回遊するプランや、近所の企業同士でタッグを組み、「せっかくなら、同じ日に近くの〇〇って会社も説明会やってるから、同時に聞いてみて」とお互いがPRするなど、参加する理由を複数つくる工夫をしてください。

もう一つの集客のポイントは「ネタバレ」です。よくわからない会社の説明を聞くために、わざわざ地方の遠い会社に出向こうとは思いません。

特に2016年卒以降は、就活が短期化したことにより、会社説明会が一定の時期に集中するようになったため、“外れ”くじは絶対に引きたくないのです。ある程度「ココだ!」と決めた会社にしか説明会には参加しません。そう思ってもらうために必要なのが、「ネタバレ」です。

これまで会社説明会で伝えていたことを、動画や採用ページなどで先に伝えてしまって、会社説明会前までに興味を高めておいてください。会社説明会で使用していたスライド資料をそのまま公開するのも効果的です。

「そんなことしたら説明会で話すネタがなくなる」という声が聞こえてきそうですが、説明会ではそれ以外のネタ、つまり会社に来なければできない体験をしてもらう場にしてください。
よく知らない会社に、“外れ”のリスクをとってまで参加してくれる学生はいません。「理由を2つつくる」ことと「ネタバレ」。今後インターンや会社説明会を開催する際は、この2つを意識してみてください。