第140回 採用難だからこそ、「選ぶ」際は慎重に。

「面接は、選ぶことも重要だが、同時に選ばれている」
面接官向けのセミナーで鉄板で言われるこのフレーズ。
バブル崩壊後やリーマンショック直後などの就職氷河期では、企業は求職者から「選ばれている」という感覚は薄く「選んでいる」「入れてやる」といった優越的立場の意識があったといえます。

時代が変わり有効求人倍率が上昇し採用難となっても、その意識が抜けないまま面接を行い続けた結果「選考辞退」や「内定辞退」が頻発されました。
そこで「選ぶ」より「選ばれる」重要性に気付き、それらを意識した面接を行う企業が増えてきました。良い傾向です。

しかし採用難だからこそより「選ぶ」ことも重要になってきます。採用側が有利な買い手市場だと厳選採用ができるため採用ミスは起こりにくくなります。
しかし採用難だと見る目が甘くなり、多少不安があったり、違和感があったり、基準に達していなかったりしても採用してしまうことがあります。このような妥協採用は概ね入社後トラブルとなってしまうことが多いです。

妥協採用をすると、価値観が共有できない、社内の人間関係をこじらせる、問題行動を繰り返す、思っていたような活躍をしない、などといったことが起こり、採用後の方がより経営が悪化するといったことも起こりえます。

またミスマッチで早期退職されることもあります。そうなると採用や教育コスト、入社手続きにかかった事務処理コスト、二重の引継ぎロス、採用のやり直しなどが発生し、大きな損害となります。
売手市場だからこそ、「選ぶ」際は更に慎重になるべきです。

「今月の一冊」で紹介しているビジョナリーカンパニーZEROでも経営において一番大切なのは人材採用だと書かれています。
ピーター・ドラッカーも「正しい人事のために4時間をかけなければ、あとで400時間とられる」と言っています。面接は「選ぶ」「選ばれる」どちらも同じくらい大切です。

はりまっちでも「選ぶ面接」に特化したセミナーの開催を予定していますのでぜひご参加ください。