第165回 勤務地と配属先を確約するだけで、採用力がアップする。

リクルートマネジメントソリューションズは、24卒の1,117名を対象にした入社意向に関する調査結果を発表しました。

調査の結果「入社前に勤務地が分からない企業」については62%の学生が入社意欲が下がると回答しました。勤務地ガチャ(勤務地が入社まで分からない状況)を嫌がる傾向を表したデータです。

一方で、近年ジョブ型雇用が注目されています。ジョブ型雇用は仕事も勤務地も入社前に確定させて、雇用契約を結ぶ形態です。しかしほとんどの企業は導入を見送っています。不人気職種や勤務地の人手不足が助長されるなどが主な理由です。

そこで一部の企業で取り入れられているのが、入社後数年間の勤務地や配属を確約した採用です。「勤務地コミット採用」「配属コミット採用」等と言われています。

「配属がどうなるかわからない」不安による途中辞退を防ぐ効果があります。この採用のポイントは、入社後数年間のみ勤務地や配属を確約し、その後は、転勤や配置転換の可能性がある点です。学生は入社前の不安が解消され、企業は勤務地や部署の社員数の偏りを防ぐことができる折衷案です。

これから生産労働人口は減り続け、更に採用難時代を迎えます。これまで蓄積された採用データから様々な見直しが必要です。そもそもペルソナは正しいのか?ペルソナへの訴求ポイントは適しているのか?インターンやプレゼン内容&資料は学生に刺さっているのか?など、見直すポイントは様々あります。

その中に、ぜひ勤務地と配属先の決定方法も見直してみてください。本当に入社後でないと決定できないのか、入社前に決定して学生へ伝えることのリスクは何か?これらを変えるだけで採用力がアップするなら、検討の価値は大いにあります。