第11回 移民の受け入れよりも、先にやるべきことがあるはず

弊社に登録される転職希望者の中には、大学卒業後直ぐに就職せず、海外留学をした人、アルバイトで社員並みに働いて、戦力として頑張っていた人、また、社会人になってからしばらくして会社を退職し、学び直しの為大学院へ入学された方、フリーランスとして仕事をされていた方などいろんな方がいらっしゃいます。彼らと話をしていると、とても前向きで、バイタリティがあり、高い目標を持っています。しかし、世間は彼らに非常に厳しく再就職の道が容易ではありません。

まだまだ日本社会は、新卒で入社した会社で定年まで勤めるのが普通とされています。中途採用も、1社経験の方やブランク期間の無い方から優先的に採用されています。ですので、彼らのようなブランク期間がある人材は敬遠されがちで、一度レールから外れると途中乗車は許されにくい現状です。

一方、欧米や中国などでは、その人の経歴は関係無く、その人が、“今何ができるのか”の判断なので、彼らのようなブランクのある人材にも広く間口が開いています。日本では例外的に、「遠回りした人材の方が面白い」という理由で、大学卒業後に海外留学などして新卒入社をしなかった若手の採用を積極的にし、その若手の活躍で業績を伸ばした企業もあります。経歴よりも、その人の今の能力、ポテンシャルを重視した、日本とは真逆の採用です。

人口減少に伴い労働力の低下が叫ばれる中、現在経済界では、移民の受け入れ案に積極的ですが、それよりも日本でくすぶっている優秀な人材を真っ先に採用していただきたいと思います。そして閉塞感の無い、良い意味での人材流動化を実現してほしいと思います。