本を開いてスグのところに「20人入社して3年後に8人辞めたら、その会社の損失は1億2000万円になります」と書かれています。
前回ご紹介した「起業家」にも、採用した社員が長く働くことが優位性と書かれていましたが、採用はゴールではなくスタートで、いかに辞めさせず活躍してもらうかを、採用から入社後の教育まで細かく具体的に書かれています。
「入社してもどうせ●人程度は辞めるから、その分多めに採用しておき、残る奴だけ残ればいい」というような採用をしている会社もありますが、それが多額の損失になることがこの本を読めば分かります。
若者が辞めないためには、「阿吽の呼吸」や「背中を見て育つ」は禁止で、若者のレベルに降りてあげる心構えが必要です。これは決して若者を甘やかすのではなく、会社の利益のために行うのです。とくに今の若者は納得しないと動か(け)ないタイプが比較的多く、「とにかくやれ」では動けず辞めてしまいます。
しかし逆に一度納得すると徹夜も苦にならないほど頑張る若者も多いのも事実です。若者レベルまで降りて、納得するまで繰り返し伝える丁寧なコミュニケーションが、遠回りに見えても効果的なのです。