学生がブラック企業かどうかを見抜くうえで一つの指標にしているのが離職率です。
離職率が高い会社はブラック企業で、低い会社はホワイト企業と考えています。でもそれは違うよ、と学生には説明します。
昨今のHR界隈では、「心理的安全性」や「エンゲージメントスコア」「働きごこち」「1 on 1」などの言葉が流行し従業員にとって居心地の良い職場を創ることが目的化してしまい、結果的にぬるま湯組織となり、ガバナンスが効かず、離職率は下がったけど業績も同時に下がり、職場に活気も無くなったという事例もでてきました。
逆に離職率は常に10%くらいでも、業績は好調で、エンゲージメントスコアも高い企業も存在します。心理的安全性や働きごこちは、ビジョンや目標を達成するための前提です。
社員みんなが腹落ちしているワクワクするビジョンがあって、それを達成するために、心理的安全性の高い職場を創ったり、1 on 1を実施したりする、この順番で考えるのが本質です。
当書は、そんな目的と手段が混同してしまっている現在のHR業界に一石を投じてくれています。良い人材が健全に定着する理想の組織について論理的に解説されています。