第21回 采配


采配 落合博満

今回は、スポーツ人の落合元監督が書かれた本をご紹介します。ダイヤモンド社が編集されているため、ビジネス書風に仕上がっており、とくに人材育成に関しては、他の人事本よりも参考になることが多く大変勉強になる一冊でした。

基本的に落合元監督は、選手を信頼し任せきります。英智選手がフライを落球し、それが原因で試合に負けてしまったとき、落合元監督は「あいつが捕れなきゃ、誰も捕れないよ」 と責めませんでした。英智選手からすれば、エラーした責任は人一倍感じており、その中で更に監督から責められたら精神的なダメージも相当でしょう。
しかし、あのような言葉をかけられたら、「この監督のために頑張ろう」という気持ちになるはずです。そんな選手への繊細な心配り、信頼し、任せきることの大切さなど、人事業務としても活用できる内容に仕上がっています。

また、「職場に居心地のよさなど求めるな」「一流には自力でなれるが、超一流には協力者が必要」「数字との戦いに勝つには“達成するのは不可能ではないか”という目標を設定すること」など落合節が満載です。