第44回 起業家のように企業で働く

著者は、マッキンゼーやアップルなどを経て、現在は大学での講演やベンチャー支援などを行い、様々な起業家や企業内で活躍するビジネスパーソンを見ている小杉氏。

「起業家のように企業で働く」社員が多い会社は成長し続けています。「起業家のように企業で働く」とは、会社に依存せず、経営者の視点を持ち主体性を持って働くことを言います。

しかし、企業の中には「そんな奴はいらない。言われたことに対し、余計なことを考えずに素直に実行に移せる奴が欲しい」という方もいます。その考えでは、経営者の器以上に会社を大きくできません。会社は、一人では到底実現できないことをみんなの力を合わせて実現に向かうものです。

何も考えずにすべてトップの言うことを聞くイエスマンだけでは、企業はそれ以上大きくなりません。しっかりと自分の意見を持ち、いちいち指示を出さなくても動ける人材がいてこそ、会社はトップの器以上に大きくなっていきます。これらのことに「勝手に動き回られては困る」と危惧される方もいますが、それは社員に会社の方向性(ビジョン)を伝えきれていないからではないでしょうか。

しっかり会社の目指す方向性(ビジョン)が社員に浸透していれば、むしろ勝手に動く社員が頼もしく感じるはずです。しっかり方向性(ビジョン)を示し起業家のように企業で働いてくれる社員を育てていきましょう。