新入社員や若手社員向けに書かれた、社会人としての心構えが書かれた一冊です。
ブラック企業叩きが進んでいる昨今、ちょっとしたことでも「ブラック企業」という言葉を武器に強気になる若者が増えています。この本では、そんな昨今の風潮に対し、「そんなことをしても自分が損をするだけ」と警鐘を鳴らしています。
たとえば、上司からの飲みの誘いに「それは業務ですか?」と聞き返す若手社員について書かれています。そういう若手社員は合理主義という名のもとに近視眼的な利己主義に陥っており、自分が得するよう合理的に行動しているつもりが、実は損していると指摘しています。
確かに、社内の人間関係を疎かにしていては、キャリアは磨けません。社内の人に信頼されてこそ、大きな仕事を任せられるようになり、それがキャリアとして築かれていきます。
この本では、このような正論だけでは上手く進まない会社の空気感や、上司の感情、社会の暗黙のルールなど、きれいごとや理想論抜きで、現場感覚で書かれている点が特に優れています。
他にも、「就職でベストマッチはありえない。自分から馴染め」「怖いお局様ほど懐に飛び込もう」「楽しいとは『楽』ではない。苦しいからこそ楽しい」「苦手な上司ほど徹底的に報連相しよう」など、若手社員にぜひ読んでもらいたいポイントがたくさん書かれています。