広告代理店の最大手、電通の新入社員が過労により自殺し、大きなニュースになっています。電通の深夜残業は有名であり、それでも入社したいという若者が溢れかえっている羨ましい会社でしたが、この一件を機に風向きが変わるかもしれません。
この本は、電子書籍のみで読める漫画です。舞台は、大手広告代理店。主人公は夢を追う駆け出しのデザイナー。絵はひどいですが、広告代理店の実情がよく理解できる一冊です。電通の一件で、より長時間労働への規制は厳しくなるでしょう。長時間労働は美徳ではなく、ダサいという価値観になれば、男性の育児休暇取得も増え、女性の社会進出が進むでしょう。
しかし、この主人公のように、時間を忘れて、夢のために目の前のことに一生懸命取り組む姿勢を、否定すべきではないとも思います。サイバーエージェントの藤田社長も起業時は週に118時間働いたからこそ、最年少で上場を果たし(当時)、日本を代表するIT企業に成長しました。スティーブ・ジョブズも松下幸之助さんも寝る間も惜しんで開発に没頭したからこそ、後世にその名を残したんだと思います。
強制的に長時間労働をさせるのは絶対にダメですが、夢の実現のため、自らの意志で長時間労働をする人の邪魔をしてはいけないとも思います。このバランスを上手く保つことが、1億総活躍社会の実現にとって必要な気がします。