第83回 中小企業の採用活動は非効率こそ効果的。

今月1日、2018卒の就職活動が解禁しました。はりまっちでは、解禁日の3月1日を皮切りに、6日、7日、8日、10日、11日と既に6回の合説を開催しました。参加した学生のアンケートを見てみると、満足度が昨年を大きく上回っていました。

昨年は「声が聞こえなかった」「立ちっぱなしで疲れた」「人が多くて回りづらかった」などといったマイナスの声が目立ちました。一方今年は「企業の説明を近くで聞けて良かった」「人事の方に顔と名前を覚えてもらった」「人事の方に質問できて有意義だった」「志望企業が見つかった」などと、プラスの意見がほとんどでした。昨年は開催回数が少なかったため、1回の合説に参加学生が集中し、上記のような不満の声が多くなりました。それを反省し、今年は複数回開催することによって分散化を目論み、狙い通りの結果となりました。合説に参加した学生の満足度は、企業への理解度や志望度の高まりと比例します。

企業様が合説に出展される目的として“母集団の確保”が挙げられると思います。よって合説の成果として“ブースに何名訪問した”かが大切な数値になります。しかし同じ母集団でも、ブースの後ろの方で何となく聞いている学生と最前列で聞いている学生とでは質が大きく違ってきます。“ブースに来た学生のうち、何名が個別の会社説明会に来たか”が本当の成果になると思います。もっといえば、内定者との最初の出会いはどこなのかです。合説で自社ブースに大量の学生が訪問した場合は充実感や達成感がありますが、実際の採用者はその合説からほとんどいなかったということもあります。

個別の会社説明会でも、企業側で会社説明会の日程を設定し、一気に学生を集め、この日に来れない学生は選考しないというやり方ではなく、できるだけ学生個々に日程を設定し、少人数でも開催をしてあげてください。このほうが大勢の中で説明を聞くよりも志望度は大きく上がります。中小企業の採用は、“1対多”ではなく“One to One”のコミュニケーションが、非効率でも効果的です。