ヘッドハンティングという仕事を通じて、ビジネス界のかけひきや裏切り、経営とは何か、働くとは何かなど、いろいろと考えるきっかけになるビジネス小説です。上下巻ありボリュームはありますが、採用担当者様ならイメージしやすくスグに読み切れると思います。
父が創業したアウトドア用品メーカーに勤める鹿子小穂(かのこ さほ)は、創業者一族ということもあり、若くして本部長、取締役となりました。しかし父がヘッドハンターを介して入社させた中途採用者と意見が合わず、取締役会の評決を機に、会社を追い出されてしまいます。そんな小穂を拾ったのが、奇しくもヘッドハンティング会社の経営者……。新米ヘッドハンターとして新たな一歩を踏み出した小穂は、プロ経営者らに接触し、彼らに次の就職先を斡旋する仕事のなかで、経営とは、仕事とは何か、そして人情の機微を学んでいきます。
企業経営を前に進めるためには、ヘッドハンティングも有効な採用手法ですが、この小説のようにヘッドハンティングはトップシークレットでおこなわれることも多く、納得のいかない既存社員との軋轢が生まれ、逆に組織が混乱してしまうケースもあるため注意が必要です。