知名度で勝負できない会社が、採用競争に勝つためには、5W1Hでいう“Why”と“Where”を明確にし、ターゲットに訴えなければなりません。
何のために会社が存在し、どこに向かっていて、将来どうありたいのか。規模や待遇で勝てないなら、この共感マッチングで勝負するしかありません。
組織力の強化も同じ理屈です。KPIやMBOといった目標管理手法を取り入れている企業は多いですが、それだけでは数値の奴隷となってしまいます。
そこで今注目されている目標管理の手法が、当書が紹介しているOKRです。
OKRとは、Objectives and Key Resultsのことで、目標とそれに対する成果指標を明確化し行動に落とし込む目標管理ツールです。
当書が参考になるのは、OにあたるObjectivesを「目標」ではなく「目的」と定義していることです。
「この仕事にはどんな意義があるのか」「この数値目標を達成することでどんな社会が実現するのか」など、仕事の目的を伝えることで、エンゲージメントも業績も向上します。金銭報酬だけでは動かない今の世代に適切な手法です。
しかし目的や意義ばかり強調して金銭報酬が少なければ「やりがい搾取」と言われてしまうので、そのバランスには注意が必要です。