「大企業に入るより、将来の大企業を一緒に創ろう」
2000年~2007年くらいに、ITベンチャーなどが採用活動で使っていた常套句です。ソフトバンクや楽天、サイバーエージェントなどが躍進し、優秀な人材が大企業よりベンチャー企業を選んでいた時代でした。しかしライブドアショックでITベンチャーブームが落ち着き、リーマンショックで景気が後退後は、大企業信仰に後戻りしました。
そしてまた時代が変わりつつあります。今回の変化は、“大手 VS 中小・ベンチャー”といった単純な構図ではなく、「与えられるより、自分たちで創るほうが楽しい」という価値観です。オンラインサロンの会員数ランキング上位のキングコング西野さん、ホリエモン、幻冬舎の箕輪さんのサロンでは、「お金を払って参加しているメンバーが働かされる」のがウリだそうです。箕輪さんは、「お金をもらっている会社員より、お金を払っているオンラインサロンメンバーのほうがよく働くし、活躍する」とおっしゃっています。
SNSの普及により、一億総発信者時代となり、“与えられるより、創り手になりたい”という欲求を持った個人が増えてきたことが要因としてあげられます。このような時代に採用活動で成功するために最も大切なのは、リーダーの“この指止まれ”です。オンラインサロンのメンバーは、西野さんやホリエモン、箕輪さんの価値観やビジョンに共感して集まっているからこそ、“お金を払う側がよく働く”という現象が起こります。
大企業でも中小・ベンチャーでも、規模や待遇ではなく、価値観やビジョンを打ち出し、そこに共感し、ビジョン達成のためなら多少の苦労も不便も厭わない、というメンバーを集めることが、これからの採用活動のスタンダードになると考えます。そのためには、会社は何のために存在していて、どこに向かっているのかを明確にし、発信し続ける必要があります。そこに共感を得られたら、企業規模や福利厚生だけで勝負している大企業にも勝てるはずです。