第149回 1 on 1ミーティングは、信頼関係と心理的安全性があってこそ。

-会議室にて-
上司「何か悩んでることとか困ってることある?」
部下「いや、特にないです」
上司「…」

-居酒屋にて-
部下A「人事評価おかしない?完全ペン舐め査定やん」
部下B「テレワークもしてないうちってオワコンやで」
部下C「現場の気持ちを知らん上が介入しすぎやねん」

このように部下は、上司の前では本音を言わず、上司のいない居酒屋ではガンガン本音を言います。

2015年あたりから流行り出した1on1ミーティング。多くの企業が取り入れましたが、結局冒頭のような会話が続き、部下は本音を決して話すことはなく「これって意味ある?」「忙しいのに」「1on1面談が仕事で一番憂鬱」と上司も部下も互いに思い、やがて自然消滅するケースが多いようです。

1on1が成立する条件は、上司と部下との信頼関係と、心理的安全性が確保されていることです。「この人に言っても仕方がない」「何を言っても変わらない」 「どうせ言っても否定される」と部下に思われていたら本音なんか話してくれません。

一方上司の立場で考えてみても、今ほとんどの管理職がプレイングマネジャーです。管理職自身が一番多くの仕事を抱えているうえ、部下に残業をさせないように仕事を巻き取ることで更に重労働となり、自分のことで精一杯になっています。このような状態で1on1を実施しても意味がありません。

まずは風土や日常のコミュニケーションを変えることが先決です。むしろ普段からコミュニケーションが良好に取れ、 「この人は意見を聞いてくれる」「人と違った考えも尊重してくれる」等と、部下が上司を信頼していれば、1on1のような形式張った施策は必要ないかもしれません。

1on1の前に普段のコミュニケーションを見直してみませんか。